アメリカの産業とPBR

先日、高齢化スピードと株価純資産倍率(PBR)について調べました。PBRが高いのは高齢化スピードが遅い国だったのでした。その中でも、アイルランドとアメリカのPBRが高かったで、調べてみました。

 アイルランドは、税制が原因のようですね。時価総額が一番大きい会社は、アクセンチュアでした。もともと儲かっている企業が節税でアイルランド本社を選んでいるのであれば、PBRも高くなるでしょう。

 アメリカ企業のPBRをセクターごとにみてみました。

Source: https://siblisresearch.com/data/price-to-book-sector/

縦軸がセクターのPBR(2021/12)です。

セクターの時価総額は、2021/12のデータがなかったので、直近2022/8/12を採用しました(面積)。時価総額をPBRで割った値を資本とみなし、横軸にとりました。PBRの低い順番にセクターを並べてあります。

金融に配分された4.6兆ドル(640兆円)の資本のPBRは1.7倍なので、時価総額は7.9兆ドル(1100兆円)となります。金融業に配分された資本は、他のセクターに行くので、扱いが微妙ですが、たとえばエネルギーのPBRは1.9倍ですね。日本株の平均1.2倍と大差ありません。

米株のPBRが4.3倍と高いのは、一般消費財・サービス(Consumer Discretionary)とITのおかげです。一般消費財・サービスは、自動車などですね。トヨタのPBRは日本株平均と同じ1.3倍ですが、テスラ24倍です(驚)。

ITは説明不要でしょう。アップルのPBRは46倍です。

Source: https://www.marketbeat.com/

米株のセクター別のPBRを見ると、高齢化スピードが落ちれば、経済成長が上がって、PBRも回復するような簡単なものではないように思えます。

おそらく、高齢化に対応する人材が、高齢化スピードが落ちると減り、成長の高い産業に移ることで構造が変わるのだと思います。

同じ自動車メーカーでも、PBR1倍ではなく20倍の企業を生み出せるようになってやっとPBRが上がるのでしょうね。

日本の高齢化スピードが落ち続ける2030年までがチャンスです。無駄にできません。

では。