米独金利差とUSD

ヨーロッパに住むと、ユーロの動向が気になります。下図は、米独の金利差(10年国債)とUSD/EURです。

 日本円は政治で動くのですが、他の主要通貨は、金利差でだいたい説明つきますね。トランプ政権発足時の米独金利差は1.7%ポイント。ドイツの金利が下がる形で、金利差は開くのですが、最初の1年は、逆にドル安。ま、トランプ政権が心配だったんでしょうね。

 その後、ドルは反転。金利差は、2019/1に2.5%ポイントまで拡大。8ヶ月遅れて、USD/EURも、0.917まで上昇します。

 ところが、米国金利も、0%近傍まで低下。金利差も20/7には、1.08%ポイントまで縮小します。USD/EURも、5ヶ月遅れで0.819まで低下しました。

 コロナ禍でも米国金利は、20/7に反転してたんですね。金利差も再度拡大し、現在は、1.84%ポイント。為替もじわじわ反転してきています。

 米国の財政金融政策をみれば、財政は大盤振る舞いですし、実質金利は大幅マイナス(ユルユル)なのでドルを買う理由はないのですが、ただただ長期金利の差(=経済成長の見込み?)でドルが買われているように感じます。いつかみてきた金融相場から業績相場へのバトンタッチなのでしょうけど、日米欧の中央銀行がともにバランスシートがパンパンなので、どうなるのか予想が立ちません。

 久々に「ババ抜き」になるんでしょうか。もっとも安直なのは、

  1. 米国が最初に景気が回復し、FRBがバランスシート縮小。
  2. 米国が日本に米国債購入を依頼。日銀追従できず。
  3. デジタル人民元が普及。東南アジア中心に中国元決済が普及。中国が米国債を売り始める
  4. 米国が日本に米国債を代わりに買うように依頼。日銀、Exitできず

 とかなると、円が安くなるばかりですかね。

では。