【本】大前の頭脳

大前の頭脳 「産業突然死」時代を生き抜く知恵
大前研一 2009/7 日経BP

日経BPのホームページに掲載されている「『産業突然死』の時代の人生論」を編集したもの。内容は、一度読んだものなので、真新しさはありません。本で読む意味は、過去4年間の時間の流れを確認する点にあります。


 たとえば、p.23、2005年のエッセイでは、集団IQの低さが述べられています。4年経った今でも、状況は変わっていません。現在の縦割り行政の弊害も、集団IQの低さという視点からみると、面白いのではないでしょうか。

 p.47 2007年のエッセイでは、日本企業のグローバル化の問題を指摘しています。

1.2007年問題
2.若年層不足
3.中小企業のゆとりなきグローバル化

 2年という月日が経ちましたが、対応は進まず、サブプライムの直撃を受けて、建て直しに時間がかかっています。

p.56 の利息制限法改正のエッセイでは、悪貨が良貨を駆逐すると警告を述べています。これも、アイフルの窮状をみると、予測したとおりのシナリオになっています。

 というわけで、当時の分析とその後の結果を追うことで、時間軸を抑えることができる本となっています。

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