池田先生が、待機児童問題について書いていました。
「村木厚子氏が闘う検察より手ごわい敵」
先日ご紹介した『財政危機と社会保障』と同じ論旨なので、驚きはありません。が、私の実感として地域レベルの「コーディネーションの失敗」があるのではと思ったのでメモです。
いくつか驚いたことがあるんですが、ひとつは、幼稚園はほぼ入園できること。保育園に入れる難しさを知っていると同じ勢いで、幼稚園にも飛び込んでしまうんですが、一部の有名幼稚園をのぞけば、入園はできる状況。歴史のある幼稚園が多く、設備も立派。送迎バスが4台もある幼稚園もありました。少子化の影響が最初でるところであり、むしろ、教室に余裕があるようにも思えるほど。
こんなに差がでるのは、保育時間が違うから。どんなにカリキュラムが素晴らしくても、平日が14時に終わり、夏休みもあるというところで、共働きには関係の無い場所になってしまいます。
一方、隙間を埋める民間企業も出てきています。Kids Duo などは、小学校への送迎も行い、両親が迎えに行かなくても子どもが2番目のスクールに行く仕組みをつくっています。
整理すると
- 保護者
保育園に入れられない。ダブル・スクールをやると、送迎のベビーシッター代がかかる。 - 役所
予算がない - 保育園
これ以上の受け入れ余力なし - 幼稚園
少子化対策急務。がんばって、送迎バスまでサービスしているが、稼働は朝と昼だけ。
子育てをめぐって各者が単独で対応していて、規模の経済が享受できず、限界費用が高止まりしているように思います。
役所はお金を出さない代わりに、地元のNPO/民間企業にバスの運行を許可。NPOは路線に縛られることなく、地元の教育施設を柔軟に回遊する。
地元の保育園、幼稚園は自ら通園バスを保有するよりも割安にNPOに送迎を委託できる。
親は毎月X千円の会費を払うと、子供の送迎を委託できる。前日の18時までに携帯電話から子供の移動計画を送信する。NPOは最適な運行ルートを計算し、利用者にメール。
子供は、定期券(FeliCa)を持っており、その日はどこにいくかが記録されている。
例
7:30 X駅前 → Y 保育園
9:00 Y保育園 → Z 幼稚園
14:00 Z幼稚園 → A 英会話スクール
17:30 A英会話スクール → X 駅前
NPOは退職したバス運転手と保育士を乗車させてバスを運行。教育施設は、保護者が迎えに来ていないくても、定期券の情報と一致すれば、NPOに子供を預けることができる。
子どもが定期をかざすたびに、移動情報が両親の携帯に届く。万が一問題があれば、運転手に連絡することができる。
こういう賢い送迎システム「スマート・ぐるリット」ができれば、各社がコストを下げながら、保育・教育の質を高めることができる気がする。ヤマト運輸が請け負ってくれれば、最適な運行ルートを瞬時に計算してくれそうに思うが如何。