マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングの前社長、柴田 励司 さんのセミナーに行ってきました。
日時:2007年4月13日(金)19?21時
場所:六本木アカデミーヒルズ
http://www.academyhills.com/biz/library_biz03.html
組織を伸ばす人、潰す人 社員の「成長スイッチ」をONにするリーダーの条件の出版を記念したセミナーで、内容は本と一部重複します。
1.自分がマーサーを辞める理由
社長を6年やってきて、周りが自分のことを忖度するようになり、組織の成長を止める立場になってしまったこと。自分が楽になって給料があがるようになったことが理由だそうです。
社長の人気についても、2年3期=6年が適切な長さだとか。
2.後任選び
結局、ボードにも入っていない38歳の古森さんを選んだわけですが、ボードから離脱者を出すことなく、引き継ぎを成功させたそうです。
その報告は、12月22日の社内ミーティング(タウンホールミーティング)だったそうですが、自分の退任の衝撃を、古森さん着任の衝撃で打ち消すというのは、「何か問題が起こったら、それより大きな問題を起こす」というテクニックだとか(笑)。
3.組織を潰す人
キャンサー、スーパーボトルネック人材、王様が組織を潰すのだそうです。
イ)キャンサー
組織には6種類の人間がいるという話がありました。リーダー、参謀、フォロワー、キャンサー、パラサイト、エイリアンと区分けすると、キャンサーは、他責の人、ポリティクスを作る人、悪意のある批評家なのだそうです。
ロ)スーパーボトルネック人材
圧倒的に働くのですが、忙しさを伝染させてしまい、かつ、他の人が自発的に仕事をするのを妨げてしまう人です。トリンプの吉越社長が、残業をゼロにした話が出ました。
後半は、ディスカッションでしたので、格差の問題を質問しました。柴田さんのような人事のプロは、どうしても、お金持ちのクライアントのために働きますので、想定している従業員がミドルクラス以上になっています。これまでの日本であれば、性善説に立ち、個々の自主性を重んじた人事理論が喜ばれるのも当然だったと思います。
今後、格差が拡大し、社内に厳然と所得格差が存在したまま、組織を運営することが当たり前になった時に、今の人事理論がそのまま通用するでしょうか?
Organizational Behaviorの時間に、X理論、Y理論を学んだとき、X理論には違和感を感じたのですが、アメリカ社会の現実をみるとき、やはり研究せざるをえないと思いました。ここ10年ぐらいの日本社会の変化を考えれば、日本も研究すべき時なのではないかと思いました。
では(^^)/^
【参考】
・『外資系トップの仕事術』
柴田さんのインタビューがあります。