「Aura」(フジテレビ編成制作局調査部)8月26日号の特集「検証 フジテレビ」を読みました。この中で、吉田望さん(スカパー社外取締役)と磯崎さん対談「放送局が上場するということ」が掲載されています。
ニッポン放送の買収騒動から半年ほどたち、事件を一回総括するにはよい時期になりました。当事者であるフジテレビの雑誌にこういう対談が掲載されること自体、時間の経過を感じさせます。
が、皮肉な見方をすれば、特集のポイントは、「目次」かもしれません。
特集検証 フジテレビ
放送局の上場: 対談 吉田望 磯崎哲也
有識者からの提言: 寄稿 フジテレビにいいたいこと
視聴者の声: コラムな気持ち
日本大学放送特別講座
「フジテレビ」そのねらいと効果
座談会 講義で伝えたかったこと伝わったこと
講師インタビュー
ニッポン放送の買収を振り返ると、第3者、つまり、磯崎さんだとか、有識者、視聴者のコメントを集めてきてますね。「I Think」の「I」がテレビ局から感じないんですね。
もちろん、日枝さんのコメントは、幾度と聞きました。しかし、テレビ局には、何千人という社員がいるわけで、その人たちの「もがき」は、私には未だにわかりません。
ふと、お台場には、ホントに防波堤があって、社屋にいる社員は、こういうことを考えなくてもいいのかなと思います。
今回の事件を金融界からみれば、磯崎さんのコメントにあるように、
長期的マクロ的に見て日本の経済にすごい影響、それもプラスの影響を与える「事件」だった
と私も思います。政界、法曹界、放送業界以外にも、考え直す機会となりました。
面白いのは、学生のコメントですね。堀江社長が若いといっても、学生より10年も先輩なわけで、今の学生が放送とITをどう使っているかの方が、明日の指針になるわけです。
学生たちがやっているのは、
・「タイガー&ドラゴン」のホームページに書き込みをした。
・最初にドラマのホームページを見て、逆にドラマが見たくなった。
・「あいのり」を見逃した時にはチェックする。
・バボちゃんのゲームが無料でできる。
と単に情報を得る以上の活用をしているのがわかりますし、ITとTVの相性の良さも認めています。
ただ、テレビの公共性に触れた部分(p.28)で、「公共性があるからといって、どっちにも偏った意見を言っちゃいけないテレビは見たくない」、「戦うテレビ局であれば、私は千円くらいならお金を払って見ます」と言うわけです。ケイタイに5000円払うのに、TVに1000円しか払わない(笑)。ここにこそ、ビジネスとしてみたときのIT+TVの課題があるように感じました。
では(^^)/^