久々にシステム導入の仕事をしました。AIがこの世界も変えてしまったことを実感しました。それは、オープンソースのシステムを導入する場合、発注側と開発側の情報格差が縮まったということです。
これまで私が携わってきたシステム開発では、システムベンダーの知識が事業会社を圧倒していました。この情報非対称性に対する支払いが、システム開発費だったと言ってもいいでしょう。
しかし、ことオープンソースである場合、仕様から使い方まで情報はネットにあります。しかし、それらの多くは英語であり、どこにあるかもわからなかったため、私が利用することはできませんでした。
今回、Feloにわからないことを聞くと、ほぼ正確な回答をしてくれるようになりました。ネット上に仕様が公開されていれば、AIは学習するわけです。プロプライエタリのシステムを使っていたら、こうはなりません。
Feloに出てくるサイトを今度は、NotebookLMに読み込ませます。すると、対話形式で私の質問に答えてくれます。画期的なのは、映像を処理することです。さまざまな教材がYouTubeにありましたが、ほとんどが英語で、日本企業向けには使えませんでした。
しかし、NotebookLMは、YouTubeの文字起こし(英語)ができているものであれば、直接読み込み、日本語で質問すると、日本語で答えてくれます。(いまのところ)無料で。
日本が30年にわたり衰退してきた一因が、デジタル化に乗り遅れたことでした。日本人は、英語が苦手。その延長線上でITの理解も遅れたと私は見ています。AIはそのハンデをなくしてくれたと言えるでしょう。
システム開発会社の戦略も変わると思いました。2010年代は、ベトナムなど、、安いエンジニアを大量に利用できるオフショア開発がブームになりました。しかし、今後は、ことオープンソースのシステムの導入に関しては、顧客との関係を変えられた企業が生き残るのではないでしょうか。
顧客との関係はよりフラットなものになり、顧客がプログラムを変更することを許容する場面も増えるでしょう。ChatGPTを使えばプログラムの問題点を安価に指摘してもらえる時代、以前のように目くじらを立てることも減るでしょう。
これまでシステム会社に聞く・頼むことしたなかった事業会社が自分で勝手に学習し、こまかなカスタマイズをするのですから、コーチング的な立ち位置になっていくのではないでしょうか。求められるのは「コミュ力」ですね。
では。