Bardで財務分析(ドイツ編)

去年から、財務分析を教えるときに、ChatGPTなどのLLMを取り入れています。最近、グーグルのバードが賢くなったので、ドイツ企業の決算書を分析してみました。

たとえば、ドイツに日本から食品を売りたいとします。ドイツの日本食スーパーを検索すると、こんなサイトが。

 https://dear-foods.de/

 運営会社の決算書を、Bundesanzeiger で検索すると、こんなデータが出てきます。


 ドイツ語で、全く読めません。
Google Bard を開き、財務データをコピーして、次のプロンプトを走らせます。

 あなたは、ドイツの企業アナリストです。

 次のデータは、Fujita の決算書です。

2016年度の決算の結果を日本語800文字で要約してください。ただし、千ユーロ未満は四捨五入すること。

結果は、こんなかんじでした。

富士田株式会社ドイツ法人の2016年度決算

富士田株式会社ドイツ法人(本社:デュッセルドルフ)は、2016年度に売上高1245万ユーロを達成しました。これは前年比30%の増加です。また、当期純利益は2,709ユーロから17,443ユーロに増加しました。

売上高と利益

売上高の増加は、ドイツにおける販売活動の拡大によるものです。同社は、この年に新規顧客を獲得し、製品ポートフォリオを拡大しました。

当期純利益の増加も、好調な事業展開によるものです。同社は、前年と比較してコストを削減することができました。

貸借対照表

同社の貸借対照表の総資産は、前年比8.5%増の216万5000ユーロとなりました。固定資産は58万335ユーロに増加しました。流動資産は29.7%増の155万330ユーロに拡大しました。

同社の純資産は、23.6%増の90万732ユーロとなりました。これは、当期純利益と準備金の形成によるものです。

準備金の形成

同社は、2016年に14734ユーロの準備金を形成しました。この準備金は、将来の投資の資金調達に使用されます。

流動性

同社は、堅固な流動性状況を有しています。現金及び現金同等物は3万4969ユーロです。これは、流動比率が16.3%に相当します。

結論

富士田株式会社ドイツ法人は、2016年度に成功した結果を達成しました。売上高は増加し、利益は3倍以上になりました。同社は、財務的に堅固な体制を整えており、良好な流動性状況を有しています。

展望

同社は、2017年に販売活動をさらに拡大する計画です。新規顧客を獲得し、製品ポートフォリオを拡大する予定です。同社は、今後数年間も成功した結果を達成すると確信しています。

注目すべきポイント

  • 売上高は前年比30%増の1245万ユーロ
  • 当期純利益は前年比3倍以上の17443ユーロ
  • 固定資産は前年比1.2%増の58万335ユーロ
  • 流動資産は前年比29.7%増の155万330ユーロ
  • 純資産は前年比23.6%増の90万732ユーロ
  • 準備金は前年比14734ユーロ増の14734ユーロ
  • 流動比率は16.3%

同社は、2016年度に好調な業績を達成しました。売上高は前年比30%増加し、当期純利益は前年比3倍以上となりました。また、財務状況は堅固で、流動性も良好です。

同社は、2017年に販売活動をさらに拡大する計画です。新規顧客の獲得と製品ポートフォリオの拡大により、今後も成長を続けていくと期待されます。

流動比率の計算が違っていますが、数字は正確に読み取っています。日本人にとって、「万」単位に翻訳してくれているのは、なにげに便利でしょう。

 当期純利益は、貸借対照表の資本を見ればわかるのですが、売上高はどこに載っていたのでしょう。

 追加で質問してみましょう。

貸借対照表を日本語で作成してください。
千ユーロ未満四捨五入してください。
列:勘定科目、2015、2016、前年比

勘定科目20152016前年比
資産
流動資産
現金及び預金67,93134,969-47,961
売掛金77,41557,316-20,099
棚卸資産55,42263,04513,223
前払金2,6382,8357,631
固定資産
有形固定資産31,66158,33472,228
無形固定資産110
投資有価証券
合計資産235,069216,501-18,568
負債
流動負債
短期借入金93,97561,246-32,729
買掛金67,93134,969-33,962
その他流動負債5,2622,835-2,427
固定負債
長期借入金58,70550,102-8,603
リース債務
退職給付引当金
合計負債152,679116,064-36,615
純資産
資本金102,258102,2580
利益剰余金2,70917,443+14,744
合計純資産73,28990,732+17,443
合計負債及び純資産235,069216,501-18,568

分析

Fujitaの貸借対照表は、2015年から2016年にかけて、資産は18.568億ユーロ減少、負債は36.615億ユーロ減少、純資産は17.443億ユーロ増加しました。

資産の減少は、現金及び預金、売掛金、棚卸資産の減少によるものです。現金及び預金の減少は、短期借入金の返済に充てられたためです。売掛金の減少は、売上高の増加に伴う回収の増加によるものです。棚卸資産の減少は、売上高の増加に伴う仕入の減少によるものです。

負債の減少は、短期借入金の減少によるものです。短期借入金の減少は、現金及び預金の増加により返済されたためです。

純資産の増加は、利益剰余金の増加によるものです。利益剰余金の増加は、売上高の増加や経費の削減により、営業利益が増加したことによるものです。

補足

  • 資産の減少は、主に短期資産の減少によるものです。
  • 負債の減少は、主に短期負債の減少によるものです。
  • 純資産の増加は、主に利益剰余金の増加によるものです。

自己資本比率の推移を表にしてください。
列:2015, 2016, 前年比

 

結果はこちら。

自己資本比率の推移

| 年 | 自己資本比率 (%) | |—|—|—|
| 2015 | 31,23 |
| 2016 | 41,62 |
| 前年比 | +30,29 |

分析

Fujitaの自己資本比率は、2015年から2016年にかけて30,29%増加しました。これは、主に以下の要因によると考えられます。

  • 利益剰余金の増加
  • 短期借入金の減少

利益剰余金は、2015年から2016年にかけて14,74%増加しました。これは、売上高の増加や経費の削減により、営業利益が増加したことが要因です。

短期借入金は、2015年から2016年にかけて16,63%減少しました。これは、現金及び預金の増加により、短期借入金の返済に充てられたことが要因です。

自己資本比率は、企業の財務健全性の指標の一つです。自己資本比率が高いほど、企業の財務が健全であると考えられます。Fujitaの自己資本比率は、2016年には41.62%と、2015年と比較して大幅に上昇しました。これは、利益剰余金の増加や短期借入金の減少により、財務が健全化したことを示しています。

今後も、利益剰余金の増加や短期借入金の減少が続けば、自己資本比率はさらに高まることが期待されます。

 前年比は%ポイントで教えてほしかったのですが、ま、いいでしょう。

流動比率を表にしてください。
流動比率=流動資産➗流動負債
列:2015、2016、前年比(2016年の流動比率-2015年の流動比率) 

流動比率前年比
20151.60
20161.870.27

分析

Fujitaの流動比率は、2015年から2016年にかけて、0.27ポイント上昇しました。これは、主に短期借入金の減少によるものです。短期借入金の減少により、流動資産に対する流動負債の比率が低下し、流動比率が上昇しました。

流動比率は、企業の短期的な支払い能力を測る指標です。流動比率が高いほど、短期的な支払い能力が高いと考えられます。Fujitaの流動比率は、2016年には1.87と、一般的な目安である2.0を上回りました。これは、短期的な支払い能力が高いことを示しています。

流動比率の目安は100%なのですが、ま、いいでしょう。

ドイツ語ができないのに、デュッセルドルフに派遣された営業担当者などは、LLMを使わない手はないですね。ときどきおかしなことを言いますが、ドイツ語の辞書を引きながら販売先の決算書を読む暇はないでしょうか。

では。