浜田教授が、バンコクポストに寄稿していました。
Japan's giant of central banking
Haruhiko Kuroda
In absolute terms, more than four million new jobs were created in Japan during Mr Kuroda’s decade leading the BOJ.
黒田総裁の10年を振り返る投稿でしたので、400万人以上雇用が増えたのか確認してみました。
たしかに、就業者は、2013年の6,309万人から6,731万人へ422万人増えました。しかし、労働力人口も347万人増えています。
よーし、日銀総裁が黒田さんになったから、いままで休んでいたけど、働くぞ!
と思った人はいたかもしれませんが、多くないでしょう。黒田総裁の功績があるとすれば、失業率を1.3%ポイント下げたことではないでしょうか。つまり、労働力人口が2013年の6,581万人のままだったとして、× 1.3%の85万人の仕事を増やしたとは言えるのではないでしょうか。
よって、黒田時代を総括するのであれば、「就業者を10年かかって1%増やすのに必要なコストだったか」なのだと思います。
上述のグラフを見れば、戦後4千万人ほどだった労働力人口が7千万人手前で頭打ちになることは予測できていました。物価もGDPも上がらなくなるのは、むしろ自然に見えます。我々がやるべきことは、新たな人口構造に合わせて社会を変えることだったのだと思います。ゼロ金利、YCC、株式の購入はやれば効果はあったでしょうけど、リスクに見合うリターンだったかは、これから見えてくると思っています。
では。