ANAと空の女王

国際線が飛ばなくなると、JALよりANAの赤字が大きい?国際線はJALと未だに思っているオジサンは、気になって、ちょっと財務データ読んでみました。

 ANAもJALも国際線の比率はそんなにかわらないですね。

 破綻する前のJALの損益分岐点図は、次の通り。

 意外なことに、固定費が高いというよりは、限界費用が高かった。100円売上を上げるのに、78.4円も変動費がかかっていたので、損益分岐点が5130億円(四半期)。そんな高い収入は望むべくもなく、赤字が続いていましたのが、半沢直樹が担当していた時代です。

 現在の損益分岐点図は、こちら。

  固定費は、1670億円/四半期に増えましたが、限界費用が44.1%と大幅に改善。四半期に2290億円収入があれば、黒字になるようになりました。ただ、コロナ以降は、四半期の営業収入が760億円とかに落ち込みましたので、赤字に鳴っています。

 一方、ANAの損益分岐点図は、こちら。

 ANAの売上高固定費率(2019年通年の営業収入で計算)は、45%。JALの47%よりは低いです。意外なのは、ANAの限界費用が、5.7%ポイントもJALより高いですね。ANAの方が、国内線のドル箱路線をたくさん持っているイメージがありました。

 2009年で営業収入でJALを抜いて以来、トップラインを伸ばす戦略を取ってきました。

 売上高営業利益率では、ずっとJALを下回ってきましたね。JALが安全運転だったのが逆に印象的です。

 今は、人員整理=固定費削減が大きく報じられていますが、限界費用を減らすことができないと、再建は厳しいと思いました。