Barack, Inc. Winning Business Lessons of the Obama Campaign
by Barry Libert & Rick Faulk
PHP研究所 (2009/4)
オバマ・キャンペーンから、経営のレッスンを引き出そうとした本ですが、経営書としてははなはだ心もとない内容です。簡単に読めるので、率直にオバマの選挙戦のエッセンスをスキムすればよろしいかと。
改めて確認できるのは、オバマが、政治を「ハイテク」にしてしまったことです。オバマ以前、政治はローテクの象徴で、非効率さこそが政治のようなところがありました。ドブ板、辻立ちなどが、むしろ賞賛される世界でした。
それが、SNSを駆使し、639 mil $を集金、My.barackobama.comには、150万人が登録。本当に世界を変えてしまった。全米最多の従業員のウォルマートは、世界で210万人が働いていますが、それに次ぐような規模の組織を短期間に作り、実際にメンバーが当選に向けて動いたというのは、驚異的なことです。
これまで、企業が政治家からマネジメントを学ぶというのは、ほとんどなかったと思います。語られるとしても、「自民党と山口組の類似点」のような覚めた分析でした。しかし、いまや、こんなに多くの人の心を動かした背景について、企業が学ぶべき段階に来たと私も思います。
ネットといえば、無秩序な非難の応酬が珍しくないのですが、オバマ自身の冷静な態度。チームを同じ資質の人で固めたことで、さまざまな困難を乗り切って行きます。
そのあたりは、日々のバラエティ・ショーで、立ち上がって突っ込みをいれるセンセイを見ている我々としては、新鮮な情報であります。
そして、積極的な若手の登用。当時、24歳だったHughes氏を責任者とする決断。麻生さんが同じことできるでしょうか。国営マンガ喫茶作る時間があったら、こういう若い人の登用をやってほしいところです。
オバマの影響は、半年も経たずに政敵?イランにまで飛び火。Facebookは、イランの政治すら変えつつあります。
日本は、どうなるでしょうかね。
では。
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