池田信夫 PHP新書 543 2008/9
池田先生のハイエク論。新書だけあって、私のような素人でも読めます。G20が開かれ、世界的に規制強化に向かいそうな今日この頃。ハイエクを再確認するのは、意義があろうかと思います。
不完全な知識にもとづいて生まれ、つねに進化を続ける秩序が、あらゆる合理的な計画をしのぐ
のであれば、現在の金融危機への対策は如何に?
大学の授業(90年前後)でも、メンガーぐらいまでは習いましたが、ハイエクの印象は希薄です。しかし、サッチャーは、ハイエクの思想をバックボーンとして民営化を進め、その後20数年の世界政治の流れを作ってしまいました。そのゆり戻しが今来ています。
ハイエクは、単純なレッセフェールを擁護したのではなく、自由な社会を守るためには、国境を超えて普遍性をもつ法制度を設計することが重要であるとしました。現在の金融制度を立て直すための普遍的な法制度とは何でしょう?IFMに10兆円入れて、各国の中央銀行が、協調してメガバンクを監視すれば、ことたりるのか。
また、あとで、振り返りたくなる本です。
では。