【本】ソーシャルラーニング入門


The New Social Lerning
A Guide to Transforming Organizations Through Social Media
by Tony Bingham & Marcia Conner
日経BP社 2012/1

私は、受験勉強がソーシャルメディアで変わるのかと勘違いしていましたが、内容は、言語の副題のとおりです。
ダニエル・ピンクさんが、序文を書いています。

ソーシャルメディアというものが持ちうる根本的で影響力のあるインパクトとは、何よりも「学び」に対してだと思う。p.2


 一瞬「そうかな?」と思うのですが、本書を読み進めるうちに、自分の「学び」のスタイルがこの数年で変化しているのがわかりました。
 この時間軸の変化の説明もわかりやすかったのですが、学ぶ組織の例も良かったです。CIAやメイヨークリニックの事例は、多くの組織の参考になる思いました。

メイヨー・クリニックは5万7000人超の医者、科学者、医療専門家を雇っている。p.116

 ミネソタのとある大病院の官僚主義を実体験した私としては、こんな巨大組織でマイクロシェアリングを使った議論が進んでいるのは、驚きでした。

3人は新しい提案書を書くことにした。そのために、システム・マネージャーは2週間のミーティングを主張した。対して、日常業務を抱えるレントゲン技師と内科医は、まずはマイクロシェアリング・システムに基本的なアイデアを投稿して必要なことを洗いだしていこうと提言したアイデアが良い形に仕上がったら、その後は社内ウィキシステムに集積することで進めていくのはどうか、と。p.117

こうしたsocial lerningをヨウ化銀を散布して雲の中のエネルギーを雨に変える、「人口降雨」に例えています。

人々がメイヨー・クリニックの社内マイクロシェアリング・サービスに質問を投稿した、そこはアイデアが結晶化する場所となる。投稿されたアイデアはさらなるアイデアを誘発する。p.118


 大企業病に悩む企業に参考になる本だと思いました。