予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
Predictably Irrational by Dan Ariely 早川書房 2008/11
デューク大学教授による行動経済学の本。ビジネスマンにもわかりやすく、豊富な例を紹介しながら書かれており、すっと読めます。20年前に経済学を学んだ頃は、人間は合理的と仮定されていましたが、ずいぶん不合理になったものです。ポイントは、”predictably”というところでして、ここに学問として研究する可能性が残されています。
「おとり効果」p.36は、これから合コンをセットする幹事さん必読の効果です。食堂経営者にも、いままで竹と梅コースしかなかったところに松コースを作ると、竹が売れ出すというのは、わかりやすい「不合理」な例ですね。
4章の社会規範と市場規範の話は、興味深いものでした。AARPが弁護士にボランティアを呼びかける例が紹介されています。p.109。時給30ドルで依頼したときには、断る弁護士がほとんどだったのにもかかわらず、0ドルになると大勢が協力する。デートの例もいい例ですね。ふたりの関係に市場規範を持ち込むと、彼氏が彼女に張り手をもらうことになります。
今回の金融危機で、行動経済学に改めて注目が集まっていますが、入門書としては、最適だと思いました。
では。
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