【本】こんな時どうする? 電話の受け方・かけ方

こんな時どうする? 電話の受け方・かけ方
吉川 理恵子 日経 2011/3

電話応対マニュアル。ツボの押さえ方が素晴らしい。新人社員に推薦するなら、本書はオススメ。

メールの時代になっても、電話はビジネスの入口でありつづけている。言葉のみのコミュニケーションであるため、日本語や相手を思いやる心について様々なことを学べる。本書は、電話に関する細かなアイディアをわかりやすく解説しています。この手の本は、すぐに小姑のような文章になりがちですが、本書は違います。まさに、井上やすし先生の言葉にあるように

むずかしいことをやさしく、やさしいことふかく

教えてくれる。
 感心するのは、事例の巧みさ。「はじめに」の目の不自由な方とのやりとりは、私もハっとしました。
 電話対応を20年指導してきた方だけあって、歴史的な考察も参考になります。

少し前までは、簡単な用件は電話で問い合わせていましたが、今は電子メールなど、他の新しい手段があります。そのため、電話ではクレームや難しい問合せが多くなっています。つまり、電話対応の中身が高度になってしまったのです。

 たしかに、私が入社した頃は、「電話もろくに取れないのか」と怒られました。今は、電話では難しいことがかかってくるんですね。
 KDDは大学生に1ヶ月間研修をして、オペレーターとして育成していました。長期間だったのは語学力をつける必要もありましたが、電話の応対を教えるのに時間をかけていました。
 時代は流れ、新人が覚えることは増えていると思いますが、実は、電話の教育に時間を割くべきなのかもしれません。就職した部署に、中国語、韓国語、ロシア語で電話がかかってきて、社員が丁寧に対応していたら、そこは伸びる会社なのですから。