【本】途上国化する日本

途上国化する日本 (日経プレミアシリーズ)
戸堂 康之 日本経済新聞出版社 2010/12

タイトルとは別に内容は真っ当な経済学者の主張です。ただ、3.11の後だと、半ば笑えないタイトルになってしまいました。

 著者の主張は、国際化しているのは、一部の生産性の高い企業に留まっている。日本企業は、国際化を通じて生産性を高め、長期的にも雇用を増やせるというものです。
 よって、日本経済の処方箋は国際化。実力があるのにマルドメ企業を「臥龍企業」と呼び、臥龍企業の国際化を推奨しています。

 アメリカに留学して日本に帰ってきた経済学部出身者ならだいたいそういう感想を持つと思います。ただ、それがこれまでできてこなかったのは何故か。このブログでも何度か触れてますが、文化レベルの話を整理しないと、業歴の長い会社や地方の企業は動かないのではないかというのが私の考えです。文化を変えるのか、文化を変えずに新たなやり方を考えるのか。国際化も容易ではありません。
では。

【参考】
RIETIの講演資料
http://www.rieti.go.jp/jp/events/10021501/pdf/2-3_4-1_J_Todo.pdf