今だから言える日本政治の「タブー」
田原総一朗 扶桑社 2010/7
テレ朝の話ですが、扶桑社からの出版なんですね。平成の20年間を総括できます。
個別なエピソードは、それで面白いのですが、感慨深いのは、田原さんもやっぱり、「プレーヤー」だったということ。権力に対するバランスを常に意識はしているものの、最後は、首相にアドバイスするようになってます。
権力は叩けば叩くほど新しい発想、政策が出て来るものだと考えていたのだが、新しい発想、政策をつくりだす力量、能力が欠如していることがわかって来た。(中略)だが、ただ批判するだけでは飽き足らず、批判する以上は、代案を考える必要がある。単に批判ばかりしているのは、無責任だと考えるようになった。(p.236)
新聞社のトップが大連立の仲介をするということに、違和感を感じるのですが、メディアと政治の関係は、そういうものなのでしょうか。
懐かしいところでは、p.47にこんな下りが
実は、田中を裏切り、竹下を担いで創政会をつくったのは、田中が最も信頼していた小沢一郎であった。田中が有罪となったために、新しい派閥を立ち上げないと、いつまでも首相が出せないと考えたのだ。
20年後、検察審議会と民主党代表選のことを考えると、因果を感じます。
では。