成功はゴミ箱の中に―レイ・クロック自伝 世界一、億万長者を生んだ男-マクドナルド創業
Grinding It Out: The Making of McDonald’s
レイ・クロック プレジデント社 2007/1
マクドナルドを世界最大のハンバーガー・チェーンにした経営者の自伝。アメリカ資本主義のエッセンスが、よくわかります。原題の方が、やはりしっくりしますね。ビジネスに執念、やり遂げる力、がいかに大切かわかります。巻末に柳井さんの解説が載っているのですが、こちらも秀逸です。やはり、卓越した経営者は、お互い響きあうところがあるんだと思います。
柳井さんが書き留めているのが、この言葉。
Be Daring, Be First, Be different.
著者の経営は、まさにこの通りなのですが、それを象徴するのが、3つのエピソード。
- 紙コップ会社の営業マンでピアニスト
マクドナルドを展開する前は、こんな仕事をしていました。アメリカらしくていいですね。
- 起業に年齢関係なし
著者は、52才になってから、マクドナルドのビジネスを始めました。カーネル・サンダースと並んで、勇気付けられる話です。 - リスク許容度
経営者は、一般の人とは、リスクをとる度量が違うのですが、結婚という一大事業?を3度も成功させているのは、やっぱりなぁと思うところでもありました。
以下、印象に残ったコメントです。
私にとっての彼女(ジューン)の価値は、そのような力などではなく、緩衝材としての力だった。P.153
たたき上げの営業マンだった著者は、No.2とも衝突するのですが、女性の存在が、チームとして働く際に役に立っていたんですね。
大企業の上に立つ者は、背負わなければならない十字架がある。そこに上り着くまでに、多くの友人を失うことになる。p.242
私は職権は仕事とともにあるべきだという態度を保持した。確かに間違った決断を犯してしまうだろうが、それが人々を起業とともに成長させる唯一の方法なのだ。p.227
マクドナルドは、分散型の組織を志向し、理念やマニュアルという縦の糸を通しています。著者は、店長の超過勤務をどう見るでしょうか。
誰かに幸福を与えることは不可能だ。独立宣言にもあるように、唯一できることは、その人に幸福を追う自由を与えることだ。p.326