独走する日本
日下 公人 PHP 2007/11
日下先輩の最新作。相変わらずの日下節でして、ここまでの境地に達すれば、人生楽しいだろうなぁと拝察いたします。
98年に金融機関が破綻して、日本人が自信失ってからというもの、アメリカを手本とする流れができました。しかし、9.11を転機とし、住宅バブル崩壊と原油高騰を受けて、10年ぶりに流れが代わってきているのを感じます。日本は再び内向きになるんでしょうね。
日下さんも今回は経済というよりは、宗教・思想がメインテーマになっています。象徴的なのが、靖国神社は同窓会の場(p.75)という議論。日本人には、宗教の教義を理論とは別に「国民の実感」というものがあって、そこを理解しないと、最大公約数にならないんですね。
神社に祀ってあるのは、恨みを残して死んだ人。(中略)
反対にお寺のほうは、みんな仏様になって極楽へ行った人たちだから、たたったりはしない。幸せな人たちだから、その幸せを我々に分けてください、というご利益がお寺にはある。神社にご利益はない。むしろマイナスがあるから、それをなだめに行く。p.77
というわけで、私は入国審査の時には、Buddhistと書くのですが、神社との差は考えてもみませんでした。靖国神社は、特別たたりそうな人が祀られているので、神社なんですね。なるほど。
サブプライムで株式市場に自信がなくなったりしたら、この本を読みましょう(笑)
では。