【本】「個」を見つめるダイアローグ

「個」を見つめるダイアローグ
「個」を見つめるダイアローグ
村上 龍, 伊藤 穰一 2006/5 ダイヤモンド

 両氏による日本をめぐる対談。こういう日本論は、昔からあったと思いますが、この本を読んで、逆に、今の日本がこの10年ですごく保守化したのを感じます。


 

日本は歴史上、現在もっとも良い時代を迎えているということだ。江戸の良さが強調されることも多いが、被差別部落を含む固定化された身分制度があったことを忘れてはんらない。(中略)戦前は女性の参政権すらなかった。戦後の復興と高度経済成長は、特にバブル以後、精神的豊かさを犠牲にしてイ経済的豊かさをえたなどと、ネガティブな面ばかりに行きがちになっているが、環境問題を除けば、あらゆる点で日本社会はよくなったと思っている。

 と述べられているように、日本人は、外国に出ていく必要がなくなりました。
 ソニーの盛田さんは、ラジオを売るために、アメリカに行きました。日本は貧しくて、アメリカに行かざるをえなかったわけです。
 バブルの時に、海外志向が高まりましたが、それもおさまりましたね。
 戦後の教育もり、個人の力が落ちていることもあり、「ピン」で世界で活躍できる人が少なくなってきているように思います。
 最後が、一人旅の話で結ばれています。 

一人だから「こいつをちょっと仲間に入れてやろうか」という話がきっかけで、結果的にその文化に溶け込んでいくことができる。これが、団体旅行とか何人かで行く旅行だと、絶対そういうことは起きない。

 これからは、他の国で認められる「個」が、大切になってくると思います。

 では(^^)/^