5-3-1基準

最近、企業の幹部研修をやるようになりました。今後、グローバル企業で、幹部になるには、「5-3-1基準」が標準になるだろうとみています。それは、

  • (30歳までに)5カ国に住む
  • 3カ国語ネイティブ
  • 博士号(専門性)1つ

です。

 5カ国に住むというのは、世界四大文明のタブーを理解するためです。キリスト教、イスラム教、ヒンズー教、儒教のお祝いごとやタブーを肌感覚で学ばなければなりません。イスラム教徒の女性にしてはならないことはなにか。キリスト教徒の男性をどこまでキツく叱ってよいか。中国人とインド人が喧嘩したら何語で止めるのか。こうしたノウハウは、本に書けません。グローバル企業の地域統括会社社長になるなら、少なくとも前述の4大文明タブーを侵さないのは、最低限の条件です。

 3カ国語というのは、実際のコミュニケーションもありますが、忍耐力を示す指標です。日本人の英語がヒドいのは、もはやギャグになっていますが、2000年代に、発展途上国から、大量の優秀な人材が国際転職市場に流入すると、致命的な欠点になっています。中国の地方出身者でも、流暢な英語を話すようになっており、これだけの人材がいるのに、英語の話せない日本人を雇う、あるいは上司にするということは難しくなっています。ここは、90年代にジャパニーズ・イングリッシュでも通じたという成功体験を持っている人が誤ってしまうところです。

自動翻訳が進めば、日常会話ぐらいは、機械がリアルタイムで訳してくれるようになるでしょう。しかし、リーダーシップを発揮するには、肉声が必要です。その人が、外国語学習という困難なことに打ち込んで、結果が出るまであきらめずに取り組めるかは、指導者の資質を見る要素になるのです。

1つの専門性(博士号)も、2040年には、幹部の間で定着しているのではないでしょうか。私の父の時代には、大卒にプレミアムがありました。私の世代は、修士がギリギリ意味を持っています。子供の世代では、博士までいかないと、プレミアムがつかないのではないでしょうか。

 5-3-1基準を満たしている人が、幹部候補生として、グローバルなキャリアを提供され、年収30万ドルコースへ。それ以外は、現法の社長を天井とするキャリアになり、年収10万ドルが上限になる時代になるのではというのが私の見立てです。

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