直系家族の罠

家族類型は、親子・兄弟関係から家族を分類したものです。フランスの人類学者、エマニュエル・トッドは、下表のように家族類型を整理し、家族類型が人間の価値観に大きな影響を与えると主張しました。

直系家族と言われる国は、日本、韓国、台湾、ドイツ、スウェーデン、スイス、イスラエルなど。親方から弟子に技術が受け継がれるため、高級品の生産が得意です。また、先輩を敬う文化なので、政権交代が起こりにくくなります。親子という身内を優先しますので、外国人の受け入れも苦手です。

これと真逆なのが平等核家族です。子供は親と同居せず(核家族)、親子・兄弟関係が平等です。遺産は子供に平等に分割します。一人=1票を受け入れ、逆に国王の権威を否定します。

同じ核家族でも兄弟が不平等なのが、絶対核家族です。遺産は遺言書で分割。末娘に全額譲渡ということもありえます。米英蘭など、世界中に住み、弁護士業、金融業が得意です。

直系家族の罠」は私の造語です。直系家族な組織の平均年齢が35歳を超えると、その組織は活力を失い、衰退から抜け出せなくことを指しています。
 ここで重要なのは、活力が落ちる理由はトップの判断ミスではないことです。むしろ、失敗しないが故に停滞するのです。直系家族は年功序列ですので、組織の平均年齢が35歳を超えるとなれば、トップは60歳を超えます。十分な経験のあるトップは、ギャンブルをしません。先輩を批判しづらい文化で、失敗しないわけですから、トップを辞めさせる理由がみつかりません。無難な判断をする人の長期政権になれば、画期的なアイディア、新商品、新政策を実施する人が権限を持たなくなります。イノベーションが起こらなくなり、他国の競合に一気に抜かれる。

 経営者が失敗しないのは、個社では良いことですが、産業全体でみれば、無茶する企業がなくなり、技術革新が失われ、最終的には利益率が下がります。
 罠というのは、悪い状況になるという意味と、そこから抜け出せなくなる意味が込められています。

タイトルとURLをコピーしました