AKBの総選挙は、Social Network時代のビジネスを考える上で印象的でした。レコ大、オバマの大統領選挙と比較することで、整理ししたいと思います。
レコード大賞中心に回っていた時代、歌手に投資をしたのは、レコード会社(タレント事務所)でした。作詞、作曲家を抱え、ポスターを作り、全国のレコード店を営業。サイン会を開催し、徐々に火をつける。ラジオ局をコツコツ回って、新人の名前を覚えてもらう。ミニ・コンサートを挟みながら、満を持してテレビに登場。レコード販売を積み重ねていきました。
レコード大賞をひとつの攻撃目標に定め、審査員を徹底的にマーク。ここで大賞を取ることで歌手の地位を高め、さらなるレコード販売を達成しました。
最終的にお金を払ってくれるのは、レコードを買ってくれる個人客ですが、投資家(レコード会社)が働きかけるのは、あくまで玄人。ファンクラブは1つ。いろいろコミュニケーションはしましたが、最重点攻撃目標ではありませんでした。
ところがAKBは、「総選挙」というだけあって、オバマ大統領の選挙活動に似ています。オバマ大統領は、タウンミーティングを繰り返すことで全米に指示を広げていきました。AKBも劇場でのライブを繰り返すことでファンを増やしています。
かつてのレコード会社のように、業界に一気に投資をするのではなく、ファンからの少額献金(劇場入場料)に依存したローキーな滑り出し。第一目標は、いきなり献金(CDセールス)というよりも、コミュニティを増やすことに置かれていました。
ネットを活用したのも、共通しています。昔のレコード会社は、ネット上の海賊版によってネット社会に対して消極的な姿勢でした。オバマ大統領は、YouTubeやFacebookを活用しました。AKBもネット上に無数の映像が出てますね。ジャニーズのタレントの画像なないのとは対照的です。
レコード大賞は、TV局に最も都合のよい形で利用されていました(大晦日の生放送)。オバマ大統領は、YouTubeを利用、AKBは武道館+映画館中心という、昔とは違う方法で大舞台を演出しています。
一昔であれば、「メジャーじゃなくて、インディーズでしょ」で片付けられてしまいそうな戦術ですが、結果も出ています。オバマ大統領は600億円を集め、AKBは140万枚のCDを売った。ひとりで大量のCDを購入したヒトも報道されていますが、これだけCD市場がこれだけ縮小している中のミリオン達成は、並でないです。
http://www.oricon.co.jp/news/rankmusic/83843/full/
一般の事業会社も、最終消費者のコミュニティと向きあう時代なのかもしれません。