B2Bブランディング 余田 拓郎 日経 2006/7
4人の著者による企業向け取引をメインとする会社のブランディングの指南書。一部の大衆向け消費財を除けば、ブランドに対する考え方が希薄であるなかで、B2Bに絞って、ブランド構築法を解説した本は、貴重。ブランドというと、大企業のマター考え勝ちですが、たとえば、部品の下請けメーカーなども、一度考えてみる価値があるものではないでしょうか。
「図表2?2 顧客接点からみてブランディング」(P.51)を見ていると、法人相手の会社といえども、営業以外にさまざまな顧客接点があり、その都度、同じメッセージを相手に伝え続けなければならないことがわかります。
特に大切なのは、P.52以降に書かれている、顧客行動の変化だと思います。B2Bは、
1 組織的な購買行動活動がおこなわれること
2 合理的で客観的な意思決定がおこわれること
が特徴です。しかし、最近は、購買部門から現業部門へ購買意思決定が分散する傾向にあり、こうした場合には、日ごろの営業活動で会わない人の印象が、売れ行きを左右してしまうのだそうです。
具体的なブランディングの取り組み方も、第4章で書かれており、図表4?2の「ブランド価値構造フレーム」(P.114)は、参考になりました。P.126からは、住友重機のケーススタディが掲載されています。
会社の経営システムを見直す際に、ブランドという切り口は、ありだなと思いました。
では。