現代アメリカのキーワード
吉原 真里 中公新書 2006/8
¥1,100の新書は、ズシりと重い。現代アメリカのキーワード解説なのだが、今後の世界の動きを考えさせてくれる。
英語は、1000の単語を覚えれば、なんとかしゃべれるとかいわれます。しかし、アメリカに留学した時に苦労したのは、固有名詞の理解でした。
なんで、MBAの超多忙な時期に”Survivor”とかいって、ラウンジではしゃいでいるのかわからないと、グループワークの話も続きません。アメリカで暮らす人は、目次だけでも読んでおくといいと思います。
ただ、全般を通じて浮かび上がってくるのは、今も変わらないアメリカの光と影ですね。
P.78のバーバラ・エーンライクが、象徴的です。ニッケル・アンド・ダイムドという著書の中で、最低賃金で暮らしていけるか検証しています。
もちろん、このような政治以外にも、美術などの分野もカバーしています。P.105では、フランク・ゲーリーが出てきます。ミネソタ大学のワイズマン美術館が、彼の作品なのですが、奇抜なデザインは、賛否両論がありました。建築家の地位の高さも、日本から行くとピンとこないものの一つですね。
やわらかい話題だと、P.241オンライン・デーティングが面白いですね。
2004年度上半期には消費者は2億2,800万ドル(3年前に比べて3倍以上の額)をオンライン・デーティングに投入し、有料で合法インターネット・サーヴィスのなかで最高の収益をあげる産業となっている。
統計の数字を見てもなかなか見えてこないアメリカが、キーワードを通じて見えてくるのは、面白いですね。
では。