日本のGDPがドイツに抜かれるというニュースを読みました。
ドイツに行った実感としては、これはテクニカルな問題だと思っています。日銀がゼロ金利を解除して円高に戻れば、相当部分は回復すると思います。
しかし、時間軸を長く取って、相対的な大国の興亡を確認するのは意味があると思います。レイ・ダリオ氏のチャートを見返しました。
(Ray Dalio: https://www.linkedin.com/pulse/chapter-1-big-picture-tiny-nutshell-ray-dalio/)
ダリオ氏の指標によれば、日本はずいぶん前にドイツには抜かれていますね。というか、ドイツが踏ん張っていたのに、日本が勝手に衰退したというべきでしょうか。
もっと長い目で見れば、日本はずっとマイナープレイヤーだったわけで、明治維新がいかに偉大な改革だったのかがわかります。あるべきところに戻っているようにもみえますね。
アメリカがイギリスの植民地だったことを考えれば、過去250年が「アングロサクソン1極」だったとも見れますね。東西冷戦も、軍事力以外は、対決にもなっていませんでした。
それを踏まえれば、中国の復活は目覚ましいものがあります。16世紀、覇権国だった水準に500年かけて戻ったとも言えるのですが、今回の回復速度が凄まじいです。
アングロサクソンにしてみれば、18世紀にオランダを打ち破って以来、250年ぶりの覇権争いなので、何事もなく終わることはないでしょう。それが、国際政治の最大のリスクですね。
この図を見ていると、ウクライナ戦争も、イスラエル・ハマス紛争も、局地戦に思えてきます。
イギリスが生き残りを図る戦略は、何でしょうか。それは、100年前にアメリカでやったように、植民地を覇権国にして生き残りを図ることでしょう。インドを中国と対峙させて生き残りを図るのであれば、なかなかの戦略だと思います。首相やロンドン市長をインド系にするのがその布石なのかもしれないですね。
日本の相対的な地位低下は避けられないにしても、どの国を見習うべきでしょうか。スペインかオランダか。スペインはオランダに覇権を譲ったあと400年浮かんでこれませんでした。
オランダは英独仏に囲まれて苦労しましたが、最近、地味に相対的なパワーを上げてますね。日本が出島以来、300年ぶりに蘭学するというのはアリだと思うのですが、いかがでしょうか。
では。