【本】iPadショック

iPadショック
林信行 日経BP 2010/5

林信行さんのiPadレポート。「大きいiPhone」と思っていた人も、もう心を改めていることでしょう。電子書籍ブームは、まだ実感できませんが、クラウド端末として非常に使えています。

本書を読んでいて、Appleが一貫していると思うのは、簡単にみえてなかなか辿り着けない努力をしていること。

我々非常に誇りに思っているのは、顧客の気持ちになって勇気を振り絞り、難しいトレードオフの中での最良のバランスを見つけていることです。p.197( Bertrand SerletApple Senior VP)

デザインにしても、iPadがそっけない。それでも美しい。たとえば本書の装丁もiPadを意識していると推察しますが、なんだか美しくない。

また、スペックであれば、日本メーカーはiPadと遜色のないものを作ることができる。しかし、簡単に追いつけない。最初にiPhoneがでた時、ディスプレイの画素数は日本の携帯電話に劣っていたが、だれもそれをとがめませんでした。

さらにスゴいなと思うのは、キャリアとの力関係をデバイスの力で逆転したこと。日本の端末メーカーは、NTTファミリーになるとか、キャリアに出資するなどして接近をはかりましたが、結局、統合を余儀なくされました。

2010年を面白くした製品にわくわくしますが、寂しいのは、日本メーカーがどう対応したらいいのかピンと来ないところでしょうか。

では。

amazonの書評を読む