ダンス オブ ヴァンパイア

Tanz Der Vampireを見てきました。

 サラ:剣持たまき
 アルフレート:泉見洋平

 良かったですね。ただ、ヨーロッパのミュージカルで、吸血鬼のお話なので、ハッピーエンドではありません。「オペラ座の怪人+Mバタフライ」といったら怒られそうですが、そんな感じです。


 客層は、圧倒的に女性。30代後半が中心で、女性単身あるいは、女性同士での来客が目立ちます。ミュージカルに再び勢いをつけるためには、男性の呼び戻しが課題かなと思いました。
 ま、舞台も男性中心なので仕方ないともいえますか。山口さんの歌唱力は圧倒的でした。私の隣の女性は、泉見さんのアルフレートで涙ぐんでましたし。ただ、最近歳を取ってきたせいか、若手のミュージカル俳優は、「体操のお兄さん」に聞こえてしまいます。
 市村さんは貫禄があり、余裕すら感じますね。ただ、役柄からか、身体から伝わるダンスの楽しみのようなものは、今回ありませんでした。
 東宝だからなのでしょうかね。四季のようなダンスの「厳しさ」は感じられませんでした。全体で踊る場面は、ダンスがそろっていませんでした。今の日本で、ブロードウェイのハングリーさを求めるのは酷なんでしょうね。
 私は、未だに、ブロードウェイで見た「コーラスライン」が忘れられません。一人一人のソロもすばらしいのですが、全体がそろった時の一体感。あそこまでダンスをそろえるには、ものすごい努力が必要とわかるのはしばらく経ってからなんですが、それにしてもダンサーの層の厚さに驚きました。
 一方、セットのライトは良かったですね。クロロック伯爵の城の門は、非常に大きく、かつ格子になっており&左右に開きます。実際の建築ではそんなことありえないのですが、舞台チェンジを効率的かつ、観客にとっては象徴的なものにするのに有効でした。
 ライトも見事でしたね。全体に暗い物語なので、ライトが大変なんですが、朝はまばゆいぐらいで、夕暮れはやわらかく、吹雪の夜は、凍えるライティングをしっかり使い分けていました。帝劇の回る舞台とあいまって、シーンの間のつなぎは、完璧だったと思います。
 というわけで、今のミュージカルは、メイン顧客の中年女性(男性ぬき)を中心に考えてしまうため、市場が小さくなっていないですかね。新橋のガード下で、最近、ミュージカル見ました?とかいっても、ほとんど「ノー」の答えが返ってくるきがします。私が覚えているのは、はるか昔のレミゼのエポニーヌby島田歌穂だったりしますからね…(来年の復活公演楽しみにしてます(T_T) )

 ミュージカルが日本でさらに発展するためには、ここでいったん「俗」な方向に舵をきってみてはどうでしょう?中年男性が、カラオケで歌いたくなるような歌をメインにすえる。公演の成功よりも、オリコンを狙ってみるわけですね。

 では(^^)/^