今回は厦門経由で東京に戻る。ロシア上空を悠然とボーイング787が飛ぶ。米中戦争とはいいながら、中国の航空会社は、米国航空機メーカーのお得意さん。西側は対露制裁を続けているが、中国は平常運転。
厦門高崎空港に到着。まあまあ大きい空港だが、新空港(廈門翔安国際空港)を建設しているという。
空港でスマホを開くとGoogleなどの西側のサービスが全く使えない。相変わらずの別世界。米国がTikTokを禁止したら、サイバー空間でも分断が進むだろう。西側の市民は中国に住みたいとは思わないだろう。テイラー・スウィフトのコンサートも中国では開催されない。「グローバル」な世界は遠ざかっている。
日本人向けの15日間の査証免除は2020年3月から停止したまま。入国審査にはさまざまな国の旅行者が並んでいるが、日本人は少ない。緩和されたトランジット・ビザを利用する。
顔写真と指紋を採られる。片手で終わるのは悪いニュース。私の生体情報が中国のコンピュータにすでに入っているということ。私が学生のころは、在日朝鮮人の指紋採取で揉めていたが、お隣の国では数十億人分の生体情報が管理される社会になっている。
空港の銀行での中国元相場は22.85円。かつて12円台だったこともあった。こんな落ちぶれたレートを見て肩を落とす。
この半年で3度目の訪中だが、今回も両替はしない。支付宝(アリペイ)が、中国外のクレジットカードにも対応したため、QR決済で事足りるからだ。Google Payなどは使えない。しかし、中国製の支払いアプリの完成度は評価せざるを得ない。空港のコンビニでミネラルウォーターを買う。タクシーを支払う。地下鉄、バスの切符を買う。ウェット・マーケットで商品を買う。QRコードですべて完結してしまう。
Googleマップも使えない。しかし、百度地図の完成度は高い。マッシュアップも対応しており、目的地までのバス・ルートを表示すると、支払いボタンが出てくる。支付宝を設定してあれば、タップするだけで支払いができる。
中国語以外には対応してなかった。14億人向けのサービスなので不要なのだろう。日本のサービス業で、ユーザーが10億人を超えるものいくつあるだろうか。おそらくそんな多くの人が使える決済サービスを作ろうという発想がそもそも無い気がする。