先日の野口先生の主張の背景には、現在の資源高は単に投機資金で上がっているのではなく、途上国の成長による需要があるとみているのですが、アルミでどんな具合になっているか調べてみました。
※世界国勢図絵 2007/2008 から作成
横軸にアルミの生産量、バブルの大きさが消費量。縦軸が、国民一人当たりの消費量になります。
たとえば、日本の場合、アルミの生産は、ほとんどゼロなのに、2276千トン消費しています。一人当たりになおすと、18kgですね。他の先進国も、20kg/人付近にあり、経済が成熟してくると、これぐらいアルミを使うといえそうです。
一方、BRICSは、5kg/人しか消費してませんね。これが、20kgに近づくとなると、人口の多い国々だけに、相当の影響がありそうです。
たとえば、中国は、世界最大のアルミ生産国で、年間7800千トンもアルミを生産しているのですが、7100千トン自国で使っているので、輸出余力に回るのはわずかです。人口が多いため、一人当たりの消費量は、5kg程度です。もし、これが、先進国並みの20kgになったら、28,400千トンの需要となり、2005年の世界生産量(約30,000千トン)に匹敵する量になってしまいます。
中国のWTO加盟によって、世界経済は、まったく違うルールで動くようになりましたね。
では。