碧桂園の財務分析

碧桂園が赤字になるようですね。

中国不動産の碧桂園、最終赤字1兆円 1〜6月見通し - 日本経済新聞
【広州=比奈田悠佑】中国の不動産最大手の碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)は10日、2023年1〜6月期の最終損益が450億〜550億元(約9000億〜1兆1000億円)の赤字に転落したもようだと発表した。物件販売の低迷を受け...

ChatGPTで決算書を読んでみました。データは、Morningstar.com です。

Code Interpreterに売上高のグラフを頼むとこんな感じです。ピークは、2021年でした。

損益計算書を売上比にしてもらいました。粗利益率が2020年以降悪化したのがわかります。

販管費がネックになったわけではないですね。グラフにしてもらいました。利益率の低下は今年始まった話ではなく、過去5年間続いた傾向です。

貸借対照表も総資産で比率にしてもらいました。在庫が積み上がっているのがわかります。5年間ずっと駄目だったということですね。

 売掛金も膨らみ続けています。買掛金は減ってますね。資金繰りが悪化するのは、随分前からだったことになります。

 しかし、借入金は実は少ないですね。銀行の問題でないのがわかります。

 繰り延べ負債が38.3%もありますね。住宅購入者から先払いしてもらっているのでしょう。中国の不動産問題が、金融危機というよりも、政治問題なのがわかります。

ビジネスモデル的には、語学スクールのようなものでしょうか。NOVAのように倒産したら、前払い金が返ってこない的な。顧客を人質に取って政府に潰さないように働きかけるのだと思います。

 自己資本比率(Total Equity) と借入金(Debt)の総資産に占める比率をグラフにしてもらいました。

 自己資本比率は、過去5年改善し続けていました。ただ、借入金も減らしています。経営陣は、不動産バブルが弾けたことをとうの昔に知っていて、財務体質を改善していたのではないでしょうか。騙されるのはいつも、個人ですね。

 キャッシュフローをグラフにしてもらいました。

過去5年間、2020年を除き、現金を回収していたのがわかります。ほとんど投資してません。

ROEと財務レバレッジのグラフも作ってもらいました。同社の高収益は、レバレッジによるものだったのがわかります。個人から、無利子の金を集めて、10倍以上のレバレッジをかけて危険な不動産投資をしていたわけですね。

 そのピークが2018年(コロナ前)であったことは印象的です。

 最後にCash Conversion Cycleをグラフにしてもらいました。

 在庫回転期間がそもそも2年近くありました。積水ハウスでも100日程度です。問題がここにあるのは明らかです。やはり、2017-2018ぐらいから悪くなってますね。2020年の1000日超えは、コロナだといえ異常値です。いまだに回復したないですね。

 というわけで、AIが財務分析に使える世の中になりました。「中国不動産バブル崩壊」とか煽るメディアには注意していきましょう。