JB’s NFC system in 2020

2020年にシンガポール・ジョホールバル間に地下鉄が開通すると仮定すると、ジョホールバル地域に最適なコンタクトレス・決済システムは何だろうか。NFC関係の仕事をしている人にとって、面白い頭の体操になると思い考えてみる。

 シンガポールには、EZ-link、クアラルンプールにはTouch ‘n Goが普及している。しかし、シンガポールに隣接するマレーシア第2の都市、ジョホールバルには、コンタクトレス・カードを使った交通決済システムが入っていない。

現状、ジョホールバルに地下鉄はなく、バスが公共交通の中心になっている。前乗り前払いで、行き先を告げてお金を払うので、客を乗せるのに時間がかかる。車掌がいるバスが稀にあるが、人件費が高騰しているためであろう、ほとんどが「ワンマン」で運転&集金をこなしている。お釣りがでるわけでもなく、払った金額も機械が計算しているわけでもないので、合理化の余地はある。

ジョホールバルは、人口100万人を超えており、マレーシア政府がイスカンダル開発区プロジェクトを推進中。セントラルを中心に、東、北、西に1時間圏内に多数の路線が走っており、システムを導入する規模としても申し分ない。

興味深いのは、越境の処理だ。両国の出入国ゲートには、MACS(Malaysia Automated Clearance System)が導入されている。無人のゲートで、パスポートをかざすと、ゲートが開く。

ジョホールバル市街をシンガポールの路線バスが走っている。シンガポールの中心部から、ジョホールバルのラーキン・バスターミナル行きのバスが走っており、国境を超えて「路線バス」が毎日運行されている。

シンガポールは東京23区よりちょっと広いぐらいの国である。ジョホールバルからラッフルズ・プレイスに通勤するのは、大宮から大崎に通うより距離的には近い。

普通に考えれば、クアラルンプール同様、Touch ‘n Go(か同じシステム)が入るだろう。同じ国だし、高速道路でも使われているので、クアラルンプールに行くことがある人は便利だ。

しかし、ここは、シンガポールとボーダレスに使えるものを考えてみよう。

1. EZ-Link 丸呑み

EZ Link カードがそのままジョホールバルでも使えるというのは、技術的に一番ハードルが低そう。しかし、誇り高きイスラム国であるマレーシアが、そんなことは政治的にしそうもない。

2. スマホ?

ジョホールバルがTouch ‘n Goを入れて、スマホでTouch ‘n GoもEZ Linkも処理できるようにする。現実的だが、ここまでして使うのは1割ぐらいか。

3. 共通仮想通貨

マレーシアとシンガポールの中央銀行が、Touch ‘n Go – EZ Link に適用される為替レートを決定し、相互乗り入れを可能にする。Suica が大阪でも使えるノリで、カードが使え、引き落としの際の為替レートが設定されるというもの。

ここまでくると、東南アジア共通通貨のようにも見えてきますね。EDYの初心(Euro Dollar Yen)に一歩近づきます。

では。