本年もよろしくお願いします。
今年の日本経済の焦点は、政府が”make ends meet”できる(という見通しを立てられる)かだと思っております。
平成20年の社会保障給付費①は、下図の通り。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/124-1a.html
年金、医療、福祉などに、94兆円がかかっています。②社会保険料は57兆円。全額をまかないきれていません。同年の③国の税収は46兆円でした。②+③が約100兆円。GDPの2割ぐらいでしょうか。給与明細を見ると、税金と社会保険料で2割ぐらい差し引かれてるのでそんなものかなと。
やはり驚くのは、私たちが収めている税金+社会保険料足したものがすべて年金・医療ほかで消えていること。尖閣諸島を守るお金とか、教育に回すお金がすでにない。税収の比較でいえば、2倍のお金が社会保障給付費になっている。
年金、医療の多くの部分は高齢者のために使われています。65歳以上の人口④は、2944万人。
http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY201009190110.html
①はほとんど65歳以上が使っていると仮定して、①÷④を計算すると、320万円/人。 年金と医療費につ毎月26万円ぐらいかかっている計算で、あながち変な数字ではありません。
この異常事態を比較するとすれば、戦時中かなと思いまして、戦時中の軍事費をみてみました。(こちらのページを参照しました。→ http://www.geocities.co.jp/Technopolis/5215/gunjihi2.htm)
1941-44でみると、GNPが、2376億円。財政規模が1723億円で、GNPの72.5%。軍事費は、1346億円で、56.7%。期間はズレますが、1937-1945の公債・借入金依存度は68.9%。なので、これを当てはめると、下図のようなイメージかと。
当時も、税収のほとんどを軍事費に当てていたんですね。まさに総力戦。
最後に、死亡者数をみてみます。
1943年の死亡者数は、121万人。44~46年は統計が見つかりませんでした。太平洋戦争での死亡者数が310万人として、4年で割ると毎年80万人。ざっくり200万人が過去最高の死亡者数だと推定しております。
死亡者数は1966年には67万人にまで減りましたが、徐々に増え続け、2009年は1943年と並びました。人口推計によれば、これが160万人にまで増えます。まさに、戦時中のような死者数。
今の日本は、高齢化という戦いの真っ只中にあり、国のバランスシートは、戦時中のようになっている。そのように理解して、本年も事業に邁進したいと思っております。