寒くなりましたね。12月決算の会社は、予算の季節でしょうか。企画部門の方は、苦労しているところだと思います。
中期計画を立てるにあたり、今年のポイントは、戦争経済が終わることだと思います。振り返れば、90年代はデフレでした。中国が世界の工場として台頭し、供給が過剰となり、価格下落傾向が続きました。しかし、2001年に9/11が発生。02?08会計年度のイラクとアフガンでの戦費が約8千億ドル。約100兆円近いお金が使われることになります。その結果、教科書どおり、景気が拡大し、インフレ傾向が強まりました。
朝鮮戦争で日本が復興したように、アフガン・イラク戦争で、インド、中国に特需が出たのではないでしょうか。思えば、アメリカの低所得者(軍関係者も多いと思いますが)にまで恩恵が及び、住宅ローンを組むことができました。
テロ特措法継続が話題になっていますが、日本の貢献は、こうした戦争経済を低金利継続で支えたのではないでしょうか。戦争国の最大の課題は、戦費調達ですが、その国債を買い支え、アメリカの長期金利が上昇しないようにしていたのは、日本でした。
それが、世界各国でリーダーの交代が続き、2008年にはアメリカの大統領も変わります。アフガン・イラク戦争の修正を織り込むことになるでしょう。また、日本もテロ特措法が中断しただけではなく、金利の修正過程に入ります。
単なる景気後退であれば、これまでも経験したことであり、恐れることはありません。ただ、今回は、2つの不安要素があります。ひとつは、景気の同期が進んだことです。1978年のボンサミットでは、機関車論が議論されていました。余裕のある日本とドイツ国が、景気刺激策を取って、世界経済回復に貢献すると。各国のGDP成長率はまだらだったわけです。今回、各国がG7諸国が一緒に失速した場合、その影響がどうなるのか。
もうひとつは、川上の寡占が進んだことです。石油をはじめ、さまざまな資源で寡占化が進みました。リオ・ティントとBHPビリトンの買収合戦は、究極の大連立になるやもしれません。景気後退で価格も下がればバランスが取れますが、価格が下がらなかったらどうなるのか。
とうわけで、各社の事業計画発表をチェックする際には、
1.経営者がこのトレンドを捉えているか。
2.的確なシナリオ分析をしているか。
3.最悪の事態が生じたときに、行動できるか
を見ていく必要があると思います。
では。