論座11月号に、自民党の世耕幹事長補佐のインタビューが掲載されています。
「すべてセオリー通り、です」 P.59
ご存知の通り、自民党は、先日の選挙で大勝したわけですが、その理由のひとつが、広報の活躍にあるのがわかります。MBAのケーススタディになりそうな内容です。自民党にマーケティングを教わる時代が来るとは思いませんでした(笑)。
世耕さんは、NTTの報道担当課長から、参議院に転身しました。当時、自民党の報道体制は、脆弱そのものだったそうです。たしかに、総理は執務室から出てくると、いきなり記者に囲まれて、質問を受けます。上場企業の社長がこんな取材を受けることはありませんね。こうした状態から、広報を体制を改革したそうです。
改革の柱は4つ。
1.広報機能の一元化
2.スポークスマンの導入
3.外部コンサルタントの導入
4.ロケーションの改善
自民党は、プラップジャパンをコンサルタントとして採用しているのですが、2005年1月にちゃんとコンペをやって、ダメージコントロールを課題として出したそうです。
・年金問題への対応
・歯科医師会からの献金問題
・「人生いろいろ」発言
たしかに、この3点は、選挙で致命傷になりませんでした。
自民党内には、「コミュニケーション戦略チーム」を立ち上げて、毎朝、メディアをモニターしたそうです。こういう毎日の積み重ねが、成果を挙げたんですね。
また、選挙期間中は、世論のトレンド調査を徹底的にやったそうです。これまでは、選挙期間中は、国会議員が自民党ビルに誰もいなかったらしいんですね(^^;。
トップのリーダーシップも垣間見られます。「改革を止めるな」というコピーは、小泉さんの発案だそうです。否定形のキャッチフレーズはタブーなんですが、採用になったそうです。
リスク・マネジメントも徹底していました。報道2001で、武部幹事長が、増税と受け止められる発言をしたのですが、すかさず現場に連絡を入れて、CM明けに否定したそうです。
「情報調査局」(自民党のコールセンター)も活躍したとか。八代議員の公認問題の時には、ここに抗議が殺到したそうです。これをすかさずトップに伝えて、公認されないことになったそうです。
言われてみれば基本(セオリー)どおりですが、政治の世界でも、これだけの成果を出すんですね。
では。