中国の石油輸入依存度を調べてみました。
1993年の中国の石油生産は、2.9百万バレル/日(mbd)。消費は3.0 mbdだったので均衡してました。私が1990年に瀋陽に行った時、夜は真っ暗。ほとんど電気を使っていない印象でした。
2019年は、生産が4.9 mbd まで増えましたが、消費が14.5 mbd 。9.6 mbd を輸入したわけです。 大型タンカーが2百万バレルとすれば、毎日5隻処理する量です。日本の石油消費が、3.7 mbd ぐらいなので、中国は産油国なのに、日本の2.6倍輸入していることになります。輸入依存率は66%。日本以上にシーレーンは生命線なわけです。
これまでは、自由貿易を謳歌していたため、石油を青天井で輸入して、安い人件費で加工貿易していればよかったわけです。それが、地政学的なリスクが高まると、「石油依存症」が致命傷になりかねません。尖閣に船出したり、台湾の空域に飛行機飛ばしたり、南シナ海の岩礁を埋め立てたり、スリランカを借金漬けにしたりしてきたわけですね。新エネルギー車の比率を2035年までに50%以上とか、2030年までに原発100基とか、そういう背景があっての動きなのですね。
人工知能うんぬんと時代は変わっていきますが、国際政治の根幹は、太平洋戦争前と同じくエネルギー問題なのだと思うと、ちょっと感慨深いです。
では。