中村屋のボース ―インド独立運動と近代日本のアジア主義
中島 岳志 白水Uブックス 2012/7
一瞬、坊主が中村屋のカリーでも作ったかを読み違えそうになるが、インド独立運動の話。これから2030年まではインドの時代になってくると思いますが、こうした歴史を知っておかねばと思いました。
過激な独立運動の指導者だったラース・ビハーリー・ボースは、武器と資金を調達すべく来日。イギリスからの圧力で国外退去を命ぜられるものの、新宿の「中村屋」に身を隠します。植民地支配に苦しむアジア人を救おうという日本人もいれば、帝国主義的な動きをする日本人もいました。ボースは、中村屋の娘と結婚。中村屋の「カリー」も生みつつも、アジア諸国の革命家と日本で交流していたことに驚きます。
結局、祖国の独立を見ることなく、日本で客死。息子は沖縄で戦死。事実は小説より奇なりですね。
では。