EU as No.2

今年は、19年ぶりに欧州に行きました。 日本語圏にいると、英国のEU離脱メルケル首相辞任フランスのデモと暗いニュースばかりですが、私は非常に良い印象を得て帰国しました。現地に行かないと見誤ると思いました。たとえば、下図は、IMFのGDP予測です。

2003-2015まで、EUは、米国を上回っていました。しかし、2016年以降、停滞します。私の印象も最近、停滞しているというものでした。

フィンランドから入ったのですが、ヘルシンキでの入国審査はキツめだったのですが、その後のオランダ、スウェーデンへの移動は、「国内線」のようでした。1999年に、電車で国境を越えた私には、ウソのような移動の自由を実現しています。

アムステルダムで、SIMカードを買うと、そのまま、スウェーデン、フィンランドでも使えました。通信の自由とでも言いましょうか。オランダに着いたその時から、シンガポールに居るときと同じように仕事ができました。上海に着いた時に、Gmailが使えないのに気づくようなことはありません。

アムステルダム中央駅は、19年前と同様、景観を保っていました。ホーチミンやシェムリアップが原型をとどめていないのとは対照的です。

すでに初冬でしたが、街には自転車に乗る人が、あふれていました。オランダは、自動運転の準備が最も整っている国に選ばれていましたが、電車、路面電車、 バス、自動車、自転車という様々な交通機関との棲み分けが、最新のIT技術を得ることで、新しい価値を生み出そうとしているのがわかりました。

非接触型の決済端末も普及。シンガポールのVISAカードをかざすだけで、ほとんどの買い物ができました。せっかく持っていったユーロ紙幣もほとんど使いませんでした。

特に、スウェーデンでは、スマホの個人間決済Swishが普及。世界で最もキャッシュレスが進んだ国を実感しました。

フィンランドでは、世界初のMaaSである、Whim を使いました。レンタカーまで使えること、月額固定の乗り放題を実現しているなど、未来を感じる取り組みでした。

官僚主義や移民の問題など、問題を抱える欧州ですが、スマホで飛行機からスクーターまでどこでも低背できる未来が見えました。

冒頭のチャートにあるように、IMFは欧州が力強い成長を取り戻すと予測しています。私も、久々にヨーロッパを見て、この見方に同意するようになりました。BREXITですら、「Happy Divorce」に思えました。もともと、島と大陸は違いますし、通貨統合もできていないので、欧州の統括会社は、アムステルダムに移ればよいと思いました。

ついでに、中国ですが、さすがに8.5%の成長が続くというのは楽観過ぎるでしょう。最近の華為事件を見ても、アメリカは、中国が輸出主導で高成長を続けるのを許容しません。

このチャートでは目立ちませんが、インドは8.9%、ASEAN5は7%と高い成長率と予測されています。これは行くと見ています。

21世紀最初の20年は、中国の時代でした。アメリカが、保護主義に大きく転換したことで、景色が変わりました。欧州も戦略を変えました。日欧EPAや、英国のTPP参加検討は、その一例です。世界第2位の経済地域へ目配りを疎かにしてよいわけがありません。

私も、こうした動きを捉えていきたいと思っています。


では。