月刊新潮:梅田望夫vs.平野啓一郎 (続き)

月刊 新潮7月号
 「ウェブ進化論」の梅田さんと芥川賞作家の平野さんの対談の続きを読みました。
  月刊新潮 7月号 P.200?
  ウェブ進化と人間の変容 第二部
(前回の感想は、こちら

 続きは、本は消えるのかという話題からでした。梅田さんの方が、なくならない。平野さんのが、なくなる見方でした。

P.201 『ウェブ進化論』がこれほど売れて(発売3ヶ月で32万部超)、本の持つパワーにびっくりしたんですよ。(中略)ネットでは全く届いていなかった広大な読者空間というものにぶち当たってその存在を実感したわけです。ああ、本というもはすごいメディアなんだな、と改めて思いました。

P.203 本とCDが一番違うのは、本はプレイヤーがいらないスタンドアローンなメディアだということです。

延々と哲学的な議論をして、売れる売れないの判断をする。議論を徹底的にしないと、未来を変えるような大きな商品って出来ないんです。

ということで、出版界にiPodでみられてような熱意がでてくることに疑問を呈しています。

 音楽がiPodの普及で変わったのは、ジョブズという人が、ひとりいたからなんです。(中略)彼の天才性っていうのは、既存旧勢力たるレコード会社をも説得してしまう能力で、このひとが「iPodの世界に向かった方が、誰にとってもいいことがあるよ」と説得して、レコード会社もその方向を受けれた。(中略)ここ10年で、コンテンツ系のイノベーションを起こそうとして、既存勢力の中で満足・安住していた人たちの心を動かしたのは、この二人(ベゾスとジョブズ)だけなんです。

 そして話は、国と言語に向かいます。

P.206 考えるべき単位は、国というより言語圏ではないでしょうか。(中略)ネットは国の壁は超えられるが言語の壁はなかなか越えられないというのが僕の感覚ですね。

  終盤に、梅田さんの世代観が語られます 。
 55年生まれ スティーブ・ジョブズビル・ゲイツ
 75年生まれ (株)はてな 近藤淳哉社長、 (株)ミクシィ 笠原健治社長
 梅田さんが、75年生まれ以降の人に着目するのは、個人が、20歳になる前に何に触れたかに注目しています。75年生まれは、インターネットが普及した95年に19か20歳になっていた世代ですね。
 参考:Wikipedia 1955年1975年

 最後は、シリコンバレーの文化について語っています。

P.213 シリコンバレーでは、新しいことを面白いと思う大人が多く、彼らの方が若者よりもおっちょこちょいなことを言い、若者の斬新な発想を何でも「やってみれば」と許してくれる。僕よりももっと年上の人が、いつも奇想天外なことを言っていて、それこそが大人の流儀だというような空気がある。

 そうえば、英語って、年長者で社会的に地位のある人に話すときでも、ファースト・ネームで呼び合いますね。やっぱり、カルチャーですかね。

 では(^^)/^

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