【本】芸術起業論

村上 隆 幻冬舎 2006

自ら「敗残者」というほどみじめな生活を送っていたアーティストがいかにして、1作品=1億円と評価されるまでにいたったのか。

ターゲットとするマーケットのルールを知り、それに即した戦略を立てる

というのは、MBAの授業を受けているようでもあります。

価値を生むのは、才能よりサブタイトル(p.94)とし、芸術の世界の戦いを他の業界と比べて解説しています。

芸術の世界では新人がデビューする確固たる構造もないかわりに、長丁場の戦いができる。(p.94)

日本の漫画や音楽は、業界が堅固なので、瞬間勝負なんですね。その調子でアメリカに進出すると、時間の感覚が違うので成功しないと分析しています。

「世界基準の文脈を理解すべき」というメッセージは、芸術家だけでなく、デザイン商品を輸出しようとする企業にとっても、参考になろうかと。

では。

【参考】
日経BPインタビュー (2006)