オランダの物価上昇率
日本の消費者物価上昇率(5月)は、1.4%でした。低いように見えますが、項目別にみてみると、違う印象になります。 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf まず、食費が、全体の29.1%を占めているのですね。エンゲル係数が3割というところに、生活の厳しさが感じられます。そこが3.5%上昇している。これが「実感」に近いですね。 次に大きいのは住居ですが、日本は借家人が守られているので、賃料はそんなに上がりません。オランダであれば、毎年更新され、法律で、物価指数の上昇を上限とした賃上げができるので、0.9%では収まらないでしょう。 交通通信ですが、鉄道料金はかつてほとんどあがりませんでした。通信費も値下げ競争が終わったのですね。 びっくりするのが、光熱水道費がマイナスになっていること。政府の補助でしょう。 教育が6.1%も減ったのは、授業料免除でしょう。 5月の消費者物価指数は「官製」だったのではないでしょうか。 やはり、政策金利が実質ベースでマイナスになっている(景気刺激的)なのは、解せないですね。 一方、オランダの消費者物価指数(5月)は前年同期比で3.5%の上昇でした。https://www.cbs.nl/en-gb/visualisations/dashboard-on-consumer-prices イラン戦争前の2月は2.4%でしたので、1.1%ポイント物価上昇率が上がったことになります。オランダらしいのは、税金と補助金の効果を別建てにしているところです。たとえば、2022年に物価が5%以上上がった時には補助金を出しています。2023年に5%以下に下がったら、増税していますね。こうして財政収支の帳尻が合うわけです。日本は石油ショックがあったら備蓄を放出し、さらに消費税を下げる議論をしています。日本人は権力者に頼り、権力者はそれに応える。赤字国債で賄うので、この30年、負担は将来世代にずっと先送りです。 項目別の寄与度を見ていくと、エネルギーが0.59%なのがわかります。食費があまり上がらないのに、サービスがすぐに上がるのはオランダらしいところです。 住宅費は契約ベースなのですぐにはあがらないですが、0.85と2番めに大きな寄与度であることが印象的です。毎年賃料更新があって、賃料が上がり続けている結果でしょう。 オランダと比べると、日本が知らしむべからず、由らしむべしなのがわかります。
2度目の隕石
1 世界の建設会社 Forbes Global 2000 (2025年)に掲載されているの Construction企業の総資産(横軸)、ROA(縦軸)、当期純利益(バブルサイズ)は、下図のとおり(当期純利益$1 bil以上に限定)。 […]
SpaceXと株式会社
SpaceXの目論見書が公開されました。絶対核家族と株式会社を学ぶよい資料でした。 1 財務諸表 日本人が見て最初に驚くのが売上高でしょう。2025年は、186億ドル。約3兆円です。 まだ、売上ないけど、グロース市場に上場しちゃおうという日本とはレベルが違います。 […]
CIOとしての総理大臣
オランダから帰国して3ヶ月が経ちました。日本が以前よりハッキリと見えるようになりました。たとえば、経済運営です。オランダ政府は、フロー経済からストック経済への移行に成功しました。かつて覇権国だったオランダはイギリスに敗れ、第二次世界大戦ではナチスに占領されました。アジアの安い労働力に勝てるわけもなく、成熟した債権国として資産運用に注力しました。年金の安定度では、世界一。一人当たりGDPは1千万円です。 日本はオランダ以上に衰退しているのに、いまだにフロー経済に留まっているように見えます。首相も「働いて働いて」と損益計算書の世界(の中の売上だけ?)しか見えていません。 下図は日本の総資産の推移です。 […]
雇われ人根性
「雇われ人根性を解毒するには、勤めていたのと同じ時間がかかる」 1.1 「雇われ人」が当たり前になった現代日本 「雇われ人」とは、組織に雇われて給与を得る会社員や公務員のことです。現代では労働者の9割近くがこの形態ですが、戦後間もない頃は自営業(農家など)が多く、雇われ人は4割程度にすぎませんでした。この「多数派」の中にいると気づきにくいのですが、経営者と雇われ人とでは、根本的な「感覚」が決定的に異なります。 1.2 決定的な「感覚」のズレ 特に顕著なのが、「時間」と「報酬」に対する考え方です。 休みの概念:経営者に休みはありません。市場が急変すれば、日曜だろうが真夜中だろうが対応します。一方、雇われ人は「決まった労働時間」に安心を覚えます。日曜に出勤して月曜に代休を取ったとしても、心のどこかで「会社に貸しを作った(協力してあげた)」、あるいは「無理をした」という感覚になりがちです。 給与の平滑化:年収が同じ300万円だとしても、「毎月25万円」もらうのと「隔月で50万円(年6回)」もらうのとでは、雇われ人は前者に圧倒的な安心を感じます。しかし、売上が毎月一定などということは、経営の世界ではあり得ません。 1.3 2008年、リーマン・ショックという洗礼 私は、独立してすぐに仕事があったため、自分には才能があるのだと、うぬぼれていました。しかし、それは単に好景気の波に乗っていただけでした。 2005年:独立 2006年:結婚 2007年:第一子誕生 2008年:リーマン・ショックにより仕事が激減 1歳の子供を抱え、仕事がゼロになる恐怖. これこそが経営者が背負う「リスク」の本質です。雇われ人の感覚のままでは、この絶望に耐えることはできません。 1.4 独立を目指す方へ [...]
家族類型と建築
文藝春秋2月号にエマニュエル・トッド氏と隈研吾氏の対談が掲載されていました。 日本の美意識の底力 家族類型が、建築にも影響していることがわかり興味深かったです。トッド氏の言葉: 伝統的なドイツの家は、私にとって、パリ盆地の典型的なフランス建築とは対照的で、「対称性の原則の欠如」を感じます。一方、フランスの建築には「対称性の原則」が顕著です。 よりわかりやすいのは、「建築」よりも「庭園」でしょう。フランスにとって「対称性の原則」はいわば”強迫観念”に等しく、左右対称を徹底するフランス式庭園が、まさに「フランス的精神」を体現しています。「非対称」的な英国式庭園や日本式庭園の違いは、誰もが感知できるでしょう。p.213 […]
外国人延べ宿泊者数推移
2025年、訪日観光客は過去最多になったようですね。現場の努力もあったと思いますが、政府が円安を放置したことが大きいと思います。米国の友人からは、我々が学生の時にタイに行った時に何でも安く感じた。それと同じことを、今、日本に行くと感じると言われました。 下図は、外国人延べ宿泊数の推移です。2011年実績を100として指数化してあります。 (資料:宿泊旅行統計調査) […]
直系家族の新規事業
グロービスから新規事業の報告書が発表されました。 グロービス、新規事業を「次代の中核事業」へ育てる「創造中心経営」を提言https://globis.co.jp/news/corporate-training/13393-2026-08-03/ よくできているのですが、私の主張する「直系家族の罠」がよくわかる内容でもありました。 直系家族というのは、長男が家督を継ぐ家族です。親と同居するので、権威や秩序を重んじます。日本、朝鮮、台湾、ドイツ、スイスなどが直系家族です。 直系家族の罠とは、高齢化が直系家族の成長をより妨げるということです。高齢化で成長が鈍化するのは万国共通です。その中でも直系家族は、先代の考えを踏襲し、長い年月をかけてトップになるため、経営判断のミスをしなくなります。選球眼が良すぎて、ボール球に手を出しません。民間人なのにロケットを打ち上げ、地球に戻ってきたところを箸でつまもう、なんてことは、誰もしません。失敗しないことは、個社にとっては良いことですが、社会全体を見ると、誰もリスクをとらない状態となり、停滞が続くのです。 […]
オランダの物価上昇率
日本の消費者物価上昇率(5月)は、1.4%でした。低いように見えますが、項目別にみてみると、違う印象になります。 https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf まず、食費が、全体の29.1%を占めているのですね。エンゲル係数が3割というところに、生活の厳しさが感じられます。そこが3.5%上昇している。これが「実感」に近いですね。 次に大きいのは住居ですが、日本は借家人が守られているので、賃料はそんなに上がりません。オランダであれば、毎年更新され、法律で、物価指数の上昇を上限とした賃上げができるので、0.9%では収まらないでしょう。 交通通信ですが、鉄道料金はかつてほとんどあがりませんでした。通信費も値下げ競争が終わったのですね。 びっくりするのが、光熱水道費がマイナスになっていること。政府の補助でしょう。 教育が6.1%も減ったのは、授業料免除でしょう。 5月の消費者物価指数は「官製」だったのではないでしょうか。 やはり、政策金利が実質ベースでマイナスになっている(景気刺激的)なのは、解せないですね。 一方、オランダの消費者物価指数(5月)は前年同期比で3.5%の上昇でした。https://www.cbs.nl/en-gb/visualisations/dashboard-on-consumer-prices イラン戦争前の2月は2.4%でしたので、1.1%ポイント物価上昇率が上がったことになります。オランダらしいのは、税金と補助金の効果を別建てにしているところです。たとえば、2022年に物価が5%以上上がった時には補助金を出しています。2023年に5%以下に下がったら、増税していますね。こうして財政収支の帳尻が合うわけです。日本は石油ショックがあったら備蓄を放出し、さらに消費税を下げる議論をしています。日本人は権力者に頼り、権力者はそれに応える。赤字国債で賄うので、この30年、負担は将来世代にずっと先送りです。 項目別の寄与度を見ていくと、エネルギーが0.59%なのがわかります。食費があまり上がらないのに、サービスがすぐに上がるのはオランダらしいところです。 住宅費は契約ベースなのですぐにはあがらないですが、0.85と2番めに大きな寄与度であることが印象的です。毎年賃料更新があって、賃料が上がり続けている結果でしょう。 オランダと比べると、日本が知らしむべからず、由らしむべしなのがわかります。
2度目の隕石
1 世界の建設会社 Forbes Global 2000 (2025年)に掲載されているの Construction企業の総資産(横軸)、ROA(縦軸)、当期純利益(バブルサイズ)は、下図のとおり(当期純利益$1 bil以上に限定)。 […]
SpaceXと株式会社
SpaceXの目論見書が公開されました。絶対核家族と株式会社を学ぶよい資料でした。 1 財務諸表 日本人が見て最初に驚くのが売上高でしょう。2025年は、186億ドル。約3兆円です。 まだ、売上ないけど、グロース市場に上場しちゃおうという日本とはレベルが違います。 […]
昆虫サイボーグ
南洋理工大学の佐藤裕崇教授が開発した昆虫サイボーグが、ミヤンマー地震で利用されました。 Singapore’s cyborg cockroaches helping with search-and-rescue efforts in Myanmar quake (Straits Times, 5 Apr 25) S’pore’s cyborg cockroaches helping with search and rescue [...]
AI Robot Management
Model Context Protocol(MCP)とBrowser Use WebUI(BUW)を使ってみました。全社はチャットからデータベースに問い合わせる技術。後者はAIにウェブブラウザーを操作させる技術です。 […]
Japan as No.5
英シンクタンクの経済ビジネス・リサーチ・センターによると、2039年に、日本はGDPで世界5位に下がるそうです。インドに抜かれるのはしかたないとしても、ドイツをずっと下回るのでしょうか。 […]
年末のごあいさつ 2024-2025
AIに作成してもらったカード 2024年もお世話になりました。オランダに住んで5年。欧州が変わったのを実感しました。オランダには極右政権が誕生。イギリスも労働党内閣が誕生。ドイツ、フランスも政変がありました。民主主義が機能しなくなったやに見えますが、権威主義的な国が順調なわけでもありません。高齢化と戦争が同時に進めば、国民への分配は少なくなるので、どの国も政治家への不満が高まるのだと思います。 […]
ホワイト・ブランド
アムステルダムの家電量販店、MediaMarktに行くと、ヘッドフォンのコーナーがパソコン売り場よりも広い。オジサンの感覚では、ヘッドフォンは「アクセサリ」しかし、AirPodsの売上高は、任天堂より大きい。 […]
壁打ちマシン
AIはどちらかというと、大企業に有利な技術だと思いますが、地方の中小企業経営者にとっては、「壁打ち」で使えると思います。 労働人口が減る日本ではどこも人材難ですが、地方の中小企業ではより深刻です。世襲の会社では、実質、親族以外に経営を任せられる社員がいないところも多いでしょう。 […]





