雇われ人根性
「雇われ人根性を解毒するには、勤めていたのと同じ時間がかかる」 1.1 「雇われ人」が当たり前になった現代日本 「雇われ人」とは、組織に雇われて給与を得る会社員や公務員のことです。現代では労働者の9割近くがこの形態ですが、戦後間もない頃は自営業(農家など)が多く、雇われ人は4割程度にすぎませんでした。この「多数派」の中にいると気づきにくいのですが、経営者と雇われ人とでは、根本的な「感覚」が決定的に異なります。 1.2 決定的な「感覚」のズレ 特に顕著なのが、「時間」と「報酬」に対する考え方です。 休みの概念:経営者に休みはありません。市場が急変すれば、日曜だろうが真夜中だろうが対応します。一方、雇われ人は「決まった労働時間」に安心を覚えます。日曜に出勤して月曜に代休を取ったとしても、心のどこかで「会社に貸しを作った(協力してあげた)」、あるいは「無理をした」という感覚になりがちです。 給与の平滑化:年収が同じ300万円だとしても、「毎月25万円」もらうのと「隔月で50万円(年6回)」もらうのとでは、雇われ人は前者に圧倒的な安心を感じます。しかし、売上が毎月一定などということは、経営の世界ではあり得ません。 1.3 2008年、リーマン・ショックという洗礼 私は、独立してすぐに仕事があったため、自分には才能があるのだと、うぬぼれていました。しかし、それは単に好景気の波に乗っていただけでした。 2005年:独立 2006年:結婚 2007年:第一子誕生 2008年:リーマン・ショックにより仕事が激減 1歳の子供を抱え、仕事がゼロになる恐怖. これこそが経営者が背負う「リスク」の本質です。雇われ人の感覚のままでは、この絶望に耐えることはできません。 1.4 独立を目指す方へ 私はその後、海外市場へ打って出ることで事態を打開しましたが、これから独立を目指す方には、まず自分の中の「雇われ人根性」に自覚的になってほしいと願っています。 自分の中に染み付いた「雇われ人の当たり前」を疑い、その毒が抜けたとき、本当の意味での経営が始まります。




