私が、ソニーミュージックを直系家族的な文化の克服例として挙げると、違和感を感じるかもしれません。ソニーは、広告がうますぎて「闊達なる自由工場」のイメージ維持に成功しているからです。

しかし、ソニーファイナンスから見えたものは、直系家族でした。そもそも盛田さんは、第15代盛田久左エ門。造り酒屋の長男です。東京通信工業設立時の相談役に同じ名前が見えますが、14代のことでしょう。設立時から直系家族。ソニーは盛田の子会社なわけです。
井深さんと盛田さんは海軍。ソニー幹部会議は、マネジメント会同と呼ばれてました。モノづくりを支える技術者の採用は、大学の研究室とつながっている。本社に近づくほど、直系家族を実感するのがソニーでした。

一方、跳ねっ返りがいたのが子会社でした。久夛良木さんが典型でしょう。ソニーは子会社との距離が絶妙でした。ソニーほどの多国籍企業であれば、開発拠点を海外に置くこともできたはずです。青山とか市ヶ谷というのがちょうど良かったのですね。山手線ですぐに行けません。

取締役会はきちんとやって、管理屋も超一流でした。ゲーム機作るのに数百億円調達しないといけないわけです。しかも、原価を下回る販売価格でシェアを取りに行く。ソニーの役員は、AIもない時代に手計算でシミュレーションを綿密にして、楽観シナリオを遥かに上回る利益をあげました。裏方の実力を私は、最も実感しました。

こういうところは、直系家族な他の会社でもマネできるのではないでしょうか。