2024年は直系家族の罠が、よく見えてきた年でもありました。直系家族の日本では、自民党が少数与党に。韓国では戒厳令が失敗。ドイツも、首相の信任投票が否決されました。ドイツがGDPで日本を抜いたのは、やはり、為替の影響だったのではないでしょうか。
ひさびさに、高齢化速度を確認したいと思います。
まず、高齢者依存比率は下図のとおり。
比較として、イギリスとアメリカを加えました。
高齢者依存比率とは、65歳以上の人口の15歳から64歳までの人口に対しする割合です。日本は、1950年は8.2%でしたが、2025年は51%になっています。労働者2名で高齢者1名を支えている計算です。2050年には73.1%になる予想です。
高齢者依存比率の前年比を「高齢化速度」として図にしてみました。

1950年に高齢者依存比率が一番高かったのはイギリスでした。いま振り返れば、英国病というのは高齢化が一因だったかもしれませんね。1980年代に教育を受けた私は、資本主義の先進国であるイギリスは労働者の力が強くなりすぎ、国有化が進みすぎたぐらいに思っていました。しかし、高齢者依存比率が20%を超えるあたりから高い成長率は難しくなるのは、いまは実感としてわかります。
韓国は、1950年は朝鮮戦争。高齢者依存率も5%でした。高齢者依存比率が10%を超えたのは、2000年以降。このチャートで驚くのは、2050年に日本を抜くことです。
高齢化速度をみると、2025年に6.5%になっています。今が最大の逆風なのですね。このスピードは2026年も続くので、韓国はしばらく受難が続くと思ったほうが良いでしょう。
ドイツは、移民受け入れで高齢化を防いできました。90年代のドイツ統合。2010年代の中東、2022年のウクライナの難民など。それでも、2025年の高齢化速度は3.0%に達し、厳しい状況が続きます。
日本は、小康状態の10年に入りました。2025年の高齢化速度は0.7%。2030年まではこの低スピードが続くので、経済は小康状態になるでしょう。日本株が高い原因のひとつは、これだと思います。
直系家族な国の苦悩を見たあとに絶対核家族国(米英)をみると、2つの利点があるのがわかります。ひとつは、高齢化速度自体が低いこと。もう一つが高齢化の悪影響が比較的薄いこと。父親が長男に継承する直系家族社会では、前任者が後継者を決めることが多いです。前任者に選ばれた人が、前任者の仕事を否定するのは難しいでしょう。それがどれほど影響があるかは、渡邉恒雄主筆が、98歳で亡くなる前月まで役員会に出席していたことでわかるのではないでしょうか。
残り5年のチャンスを活かすためには、直系家族の罠を理解したうえで、対策を打つことが重要だと思っています。