高齢化になると、経済成長率は落ちるのでしょうか。下図は横軸に日本の年齢中央値、縦軸に経済成長率をとってみました。データは1980~2023年を使っていますが、2009年と2020年は世界的な景気後退だったので除きました。

決定係数が低いので相関がないとも言えます。一国の経済がたった一つの変数で説明できるわけはないのです。それを置いておくと、日本がこの40年間、高齢化に伴い経済成長率が落ちてきているのがわかります。
同じ図をアメリカで描いてみました。係数、決定係数もほぼゼロでした。


アメリカも高齢化は進んでいるのですが、経済成長率には影響していないように見えます。
いくつかの国で同じ図を描き、数値を右表にまとめてみました。どこも決定係数は低いので、以下は仮説です。
親と同居しない絶対核家族な3つの国の相関係数がほとんどゼロなのは、ちょっと意外でした。こうした国でも高齢化は進んでおり、経済成長率は下がると思っていたからです。カナダやイギリスにいたっては、(意味があるかは別にして)係数が「プラス」になっています。
一方で、アジアの直系家族国では、係数がしっかりマイナスになっています。たとえば、韓国は、年齢中央値が1歳上がると、経済成長率が0.32%ポイント下がるわけです。年齢中央値が3歳上がると経済成長率が1%ポイント失われるというのは、2023年の経済成長率が1.4%だった韓国にとっては切実な数字ではないでしょうか。決定係数も、他の絶対核家族国に比べると高く出ています。

ワタシ的には、ほら、直系家族の罠でしょ?と思ったのですが、ドイツが無相関になっていました。1991年に東西ドイツを統合したので、1980 – 2023で調べるのは無理があるかもしれません。

しかし、計測期間を変えても、相関はみられませんでした。ドイツの図を見ると、年齢中央値が45歳を超えないように土俵際で踏みとどまっているようにも見えます。日本は、何もせずただ年老いたようにも見えますね。ドイツは移民を受け入れて高齢化を止めたのでしょう。日本がドイツにGDPで抜かれた理由の一つは移民の受け入れにもあったのだと思います。
話を戻すと、世界を見渡せば、高齢化が必ずしも経済低迷にはならないですね。アジアに限れば、権威を認める直系家族的な国ほど、高齢化の影響を受けやすいように見えます。ドイツが高齢化を経済低迷と切り離したのは、日本も学ぶところが大きいのではないでしょうか。