16歳の女子に600億円の損害賠償を求める人がいたら?大人げない行動として非難されそうですが、New Jeansは、そう報道されています

直系家族の罠の対策としてソニーミュージック方式を提唱してきた身として、ひとこと。

韓国も、日本と同じ直系家族。長男を後継者とする社会。年長の指導者を批判できないので、高齢化の影響をより強く受けます。それは、社長が判断を誤るというよりも、長年の経験で選球眼がよすぎるために組織が停滞します。ボール球には手を出さないので、辞任に追い込まれるような失敗はしないのですが、売上を倍増させるような画期的な商品が出なくなるのです。。

その対策の一つが、ソニーミュージック方式でした。子会社(レーベル)をいくつもつくり、若手をトップに抜擢。会社も物理的に遠い場所にして、親会社の干渉を最小化。人為的な倒産をグループ内に起こして、次のヒット曲を目指します。

HYBEも似た戦略のハズでした。どこで間違ったのでしょうか。それを考える前に、絶対核家族国、アメリカのテイラー・スイフトを考えてみましょう。彼女のマネジメント会社は、13 Management

HeadquartersHendersonville, TN (USA)
Client and OwnerTaylor Swift

彼女のキャリアの初期に設立された独立したマネジメント会社。チームには、親族、ビジネスマネージャーや法律顧問など、さまざまな専門家が含まれています。音楽制作、著作権の管理、マーケティング、ツアーの計画など、彼女の音楽活動を支援しています。ADORとの比較表は以下の通り。

項目ADOR13 Management
設立年2022年(New Jeansのデビューと同時)2004年頃
親会社HYBE(ハイブ)独立したマネジメント会社
主なアーティストNew Jeansテイラー・スイフト
マネジメントスタイルアーティストのイメージとブランドを重視し、マーケティング戦略を強化アーティストのビジョンを尊重し、戦略的なキャリア管理を実施
契約の特徴標準的な7年契約(2029年まで)アーティストのニーズに応じた柔軟な契約
最近の問題契約解除を巡る内部対立とアーティストの独立宣言
アーティストとの関係アーティストの意見を無視したとの批判があるアーティストとの強い信頼関係を築いている
マーケティング戦略デジタルプラットフォームを活用したファンとの関係構築新しいアルバムやツアーの計画を戦略的に実施

13 Management は、アーティストを支えるための会社で、プロデューサーが外部の人材です。同じ音楽をやるにも、家族類型の違いが組織の違いを生んでいるのがわかると思います。

バックスクリーン3連発

BTSが兵役に就く間、存亡の危機にあったHYBEは、女性アーティストを売り出そうとしました。レーベルごとに競わせるのはよかったのですが、まさかのバックスクリーン三連発になりました。

項目LE SSERAFIMNew JeansILLIT
所属事務所SOURCE MUSICADORBELIFT LAB
設立年2022年2022年2024年
親会社HYBEHYBEHYBE
デビュー日2022年5月2日2022年7月22日2024年3月25日
メンバー数5人5人5人
プロデューサーパン・シヒョク(HYBE議長)ミン・ヒジン(ADOR取締役)不明
音楽スタイル多様なジャンルを取り入れたポップR&B、ヒップホップ、ポップを融合したスタイルK-POPのトレンドを反映したスタイル
主なヒット曲「FEARLESS」、「ANTIFREEZE」「Attention」、「Hype Boy」Magnetic
ファンダム名FEARNOTBunniesGLLIT

 ソニーミュージック方式は、本社の干渉を極力抑えることで機能します。しかし、New Jeansのプロデューサーにしてみれば、を22年7月にデビューさせるために必死に頑張っていたのに、2ヶ月前に同じ5人組のルセラフィムをデビューさせたのは納得いかなかったでしょう。桁外れの広告宣伝費でした。

 しかも、ミンヒジンさんには才能がありすぎました。New Jeansのデビュー曲Dittoは、K-POPの歴史を変えるほどの名曲。これほど成功するには、2~3年の準備期間が必要だったはずです。コロナの時期だったはずで、彼女の苦労は想像できます。

 やっとNew Jeansが軌道に乗った2年後、ILLITが、New Jeansとちょっと似た(またもや)5人組でデビューします。せめて、3人組のキャンディーズがヒットしたら、2人組のピンク・レディーをぶつけ、その後は、ピンの松田聖子で勝負するぐらいの差がグループ内にあっても良かったとは思うのですが、干渉しないのがソニー・ミュージック方式です。

 直系家族国出身者でガールズ・グループを作ると、自然に姉妹関係になるのは、TWICEで書きました。無名だった自分たちの夢を叶えてくれたプロデューサーをNew Jeansのメンバーがオモニ(母)のように思うのは自然でしょう。自分たちを守るために戦ってきた母が、親会社からいじめられているように見えてもしかたありません。このあたりは、SMAPに似てますね。

 親会社は、子会社は好き勝手にやれと言っても、最後は親の言う事を聞くと思っている。子会社もバラバラで良いと言われても、ちょっと配慮してよと甘えがある。アーティストも、自己実現のはずだが、どこかプロデューサー頼みになる。ここまでことがこじれると、アーティストを擁護する人が出てきそうなものだが、他のアーティストも従順。協会までもNew Jeansを批判する状態に。

直系家族の罠を抜け出すためには、仕組みを作るだけではダメで、こういう事例を通じて細かなことを学んで行く必要があるのだ思いました。