松田 卓也 廣済堂新書 2015/12
神戸大名誉教授による人工知能入門書。タイトル通りになるかは別として、人工知能の現状を理解できます。イーロン・マスクは、
人工知能は21世紀の核技術である p.146
と発言したそうですが、その意味を本書を通して学ぶことができます。まずは、p16以降、いくつかの映画が紹介されます。
『Transcendence』
人工知能をめぐる物語ですが、「人は知らないものを恐れる」様子が描かれています。
『her/世界でひとつの彼女』
『Ghost in the shell』
『LUCY』
『2001: A Space Odyssey 』
『The Terminator 』
どうも、おどろおどろしものとして描かれがちですね。
第2章は、これまでの歴史の解説です。Artifical Intellegence という言葉が誕生した1956年以降のブームと停滞期を解説しています。コンピュータの能力が上がるに連れて、ニューラルネットワークの階層を何段にも重ねるディープラーニングという手法ができるようになりました。ディープラーニングとは、機械学習という手法の一つ。機械学習とは、
データを山のようにコンピュータに読み込ませて、それらのデータから何らかのパターンを見つけたり、データをグループに分類したりする技術 p.46
この先に見えてくるのが、人間の能力を超える超知能の誕生。現在のスーパーコンピュータ「京」の演算速度、10ペタフロップスで十分という立場のひとから、1ゼタフロップスまで幅がありますが、2030年までに実現しそうです。
第3章は、人工知能のプレイヤーを紹介。グーグルやマイクロソフトだけでなく、ベンチャー企業、中国の企業まで。まさにゴールドラッシュの様相。
第4章は、シンギュラリティについて。チューリングテストとは、
人工知能を壁の向こう側に置いて、こちら側から人間がその人工知能と”会話”をします。その”会話”だけで、壁の向こう側にいる会話の相手が人間なのか人工知能なのかはっきり区別できなければ、それは「”人間と同等に知的”とみなしていいだろう」 p.107
カーツワイルが、チューリングテストをパスする人工知能が登場すると予測するのが2029年。
オックスフォード大学がコンピュータが取って代わると予測してる職業は、こちらの記事参照。
シンギュラリテイとは、全人類に匹敵するような超知能ができる時点のことです。p.111
これ以降は、今後の話で、日本での動きも紹介されています。
最近の音声認識や単語変換の精度、メールアプリの自動返信機能の進化を見ていると、人口知能が社会を変えていくことを実感します。今後tもひきつづき勉強していきます。
では。