鳩山元首相所信表明演説で触れた「チョーク工場」、日本理化学工業社長の本。
知的障害者が、社員の7割というのもさることながら、それでチョーク市場での競争に勝ち続けているのに驚きます。
最初は社長も、知的障害者の雇用に消極的で、雇用にいたるのも偶然の要素がありました。他社と違うのは、障害者から学ぼうという姿勢が続いたこと。しかも、具体的な対応が続いています。たとえば、品質管理に必要な測定が彼らにできなければ、彼らにできる品質管理を考えて、工程を変更しています。
社内旅行のエピソードも印象的です。健常者と障害者が一緒に旅行をすると、どちらにも遠慮が出てきてしまう。現場ならではの解決策を考えて実行しています。
人間の究極の幸せ(p.56)は、企業経営を考える上でも意味深いです。
- 人に愛されること
- 人にほめられること
- 人の役に立つこと
- 人から必要とされること
第5章では、行政、協会、企業が障害者雇用に協業する難しさが記されています。こういう分野にプロボノ・パワーが届くといいなと思いました。
キットパスを使ってみたくなりました。
【参考】
・東洋経済: 大山泰弘 その1【全4回】 社員の7割が知的障害者、人は働いて幸せを知る – 09/01/16