【本】ヤンキー文化論序説

ヤンキー文化論序説

五十嵐 太郎 河出書房新社 2009/3

日本人の気質はミーハー、オタク、ヤンキーの3つに分類できる

ナンシー関

オタクの分析数あれど、ヤンキーの分析は数少な。しかし、その影響は、矢沢永吉からX JAPANまで広範囲に及び、「序説」とあるとおり、格好の入門書となっています。

読み終えると、その影響の大きさに驚きます。

具体的なキーワードを思いつくままに挙げると、『ビー・バップ・ハイスクール』、横浜銀蝿、矢沢永吉、つんく、氣志團、ヤンキー語、右翼的なアイコン、うんこ座り、根性焼き、学ラン、リーゼント、特攻服、なめ猫、レディース、デコトラ、ヤン車、改造車、暴走、茶髪、カラーギャング、『野良猫ロック』、『木更津キャッツアイ』、『下妻物語』などが浮かぶ。p.4

ナンシーさんの「日本人の5割」かどうかはともかく、かなり大きな市場なのがわかりました。
最初に参加者が認める通り、ヤンキー体質でない人ばかりが、ヤンキーを語っています。これが、これだけ巨大の市場にかかわらず、論説として世の中に伝わらない一因であります。
本書では、ヤンキー文化を、音楽、ファッション、映画などから分析。なぜ多くの人がヤンキーななるのか、なぜ暴走族は20歳までに卒業するのか、地域のお祭りはヤンキーが活躍するのか、なぜヤンキーが絶滅危惧種になってしまったのかが理解できます。

ヤンキーそのものは減っているのですが、ヤンキー気質の人は、子供の名前につける漢字一位が「翔」に象徴されるように、いまも日本のマジョリティ。そこをきちんと見ないといけませんね。

では。

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