人口ボーナス

中国の勢いはすごいですね。人口ボーナスを確認してみました。

UN,World Population Prospects: The 2017 Revision,



非労働生産人口を労働生産人口で除した値の推移です。予測値は、国連の中位推計を使いました。日本が3倍を超えたのは、1960年半ば。ここからバブル崩壊まで、高い成長を維持しました。2倍以上が人口ボーナスと言われますが、3倍超えると高い成長が期待できると言えるでしょう。

中国が3倍を超えたのは、1990年代。2010年にはピークの3.89倍にも達します。1人の子供やお年寄りを4人弱の働き手が支えていたのですから、社会的な負担は、比較的ラクにまかなえます。1979年に始まった一人っ子政策が、30年後にこのような高値を作ったのがよくわかります。

2018年はピークアウトしているとはいえ、まだ日本のピークなみです。まだ成長はできるでしょう。しかし、山高ければ、谷深し。2030年には2.65倍まで落ちていきます。日本の90年代よりも、キツい下がり方。様々な社会問題が表面化するでしょう。今は、国家と二人三脚の企業が有利でも、この時期になると、逆に負担を求められるのではないでしょうか。2050年の1.81という数字に耐えられるのか。漢字という参入障壁がある国では、移民受け入れも容易ではありません。

インドのピークは2030年なんですね。2050年まで、社会負担で揉めることはなさそうです。

なにげに揉めそうなのは、アメリカ。2010から2020年にかけて0.36ポイントも落ちるのですね。それまで安定していた年齢構造が、一気に少子高齢化したのでしょうか。これでは社会負担を巡って、揉めるのも無理ありません。トランプ大統領の背景に、社会負担の問題があったとすれば、2030年に向かって、さらに先鋭化することが予想されます。

ブラジルに進出している企業は、中国ほどでないにせよ、治安の悪化にそなえる必要もあろうかと。

では。